繰り返された「Yes Sir」 水原容疑者も認めた大谷翔平の“無実” それでも米記者は陰謀論を提唱「筋が通らない部分が5つもある」
弁護士とともに裁判に出廷した水原氏。彼も大谷の無実を認めたが……。(C)Getty Images
世界的な関心事となった一大スキャンダルは“終結”という局面を迎えた。
現地時間6月4日、大谷翔平の専属通訳を務めていた水原一平被告が、カリフォルニア州サンタアナの連邦地裁に出廷し、銀行詐欺と虚偽の納税申告という2つの罪状を認めた。今後、量刑の言い渡しは10月26日(日本時間)に行われる予定となっている。
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今年3月から続いてきた騒動がいよいよ収拾した感がある。検察側からの訴状によれば、水原容疑者は、南カリフォルニアに拠点を置く胴元との関係を持ち始めた2021年9月からの約2年間で1万9000回もの違法賭博を実施。その間に生じた純損失(4070万ドル=約62億2710万円)を、大谷の給与口座から不正に補っていたという。
裁判内容を報じた米スポーツ専門局『ESPN』によれば、法廷で判事からの罪状確認に対して「Yes Sir(はい、そうです)」を淡々と58回も繰り返した水原容疑者は、「賭博で大きな借金を背負い、彼(大谷選手)のお金に手を付けることしか思いつかなかった」と証言。改めて自身の行った罪を認めた。
本人までもが、銀行詐欺、虚偽の納税申告についてそれぞれ「ギルティ」と有罪を認めた。これで「僕自身は何かに賭けたり、誰かに代わってスポーツイベントに賭けたり、またそれを頼んだことはない」と訴え続けてきた大谷の潔白は明確になったと言える。
しかし、依然としてあらぬ“陰謀論”を振り撒く米識者は少なくない。米紙『New York Post』のステファン・ボンディ記者は自身のXで「この武勇伝には筋の通らない部分が5つほどある」と指摘。違法賭博に関与したためにNBAを永久追放となったジョンタイ・ポーターの名を切り出し、「MLBはオオタニをポーター化させるつもりがなかったのだろう」と論じた。