生々しかった“裏切り行為”を告白された夜 米記者も「あんなに詳しく話すとは」と驚いた大谷翔平の証言とは?
水原氏の裏切りに対して大谷は複雑な胸の内を隠さなかった。(C)Getty Images
騒動のあらましを時系列的に明かした表情は複雑さを極めていた。現地時間3月25日に本拠地ドジャー・スタジアムで会見を行い、世間を賑わせる元専属通訳である水原一平氏による違法賭博問題を自ら語った大谷翔平のそれである。
問題をいち早く解決し、いよいよ本格化するレギュラーシーズンに専念したい。これまでもそうであったように大谷には間違いなくそういう思いもあったというのは想像に難くない。ただ、一大スキャンダルを振り返る会見でやはり滲み出たのは、水原氏に対する葛藤とも取れる言動だ。
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無理もない。水原氏は日本ハム時代の通訳から縁をつなぎ、ここまで家族より長い時間のサポートを受けてきた「唯一無二の存在」。大谷が二刀流でブレイクスルーを果たし、アメリカン・リーグMVPに輝いた21年シーズン終了時の記者会見では「一番お世話になったのはやっぱり一平さん」と照れ臭そうに話していたのが、いまも印象に残る。
二人三脚で歩みを進め、絶対的な信頼を置いていた人物から、いわば“裏切られた”わけである。質疑応答が許されなかった25日の会見では、表情を強張らせながら「正直ショックという言葉が正しいとは思わないですし、それ以上の、うまく言葉では表せないような感覚で1週間過ごしてきた。うまく言葉にするのは難しいなと思っています」と漏らすのも当然であった。おそらく関係者とともに作成したメモを準備していたとはいえ、公の場で自ら語ったのは、むしろ驚きですらあった。
会見で発せられたありとあらゆる言葉がクローズアップされた。そのなかで最もショッキングだったのは、ドジャース関係者、そして大谷本人が水原氏の違法賭博関与を知った瞬間の出来事である。
米スポーツ専門局『ESPN』など複数メディアによれば、水原氏は今月20日に韓国・ソウルで行われたパドレスとの開幕戦後にドジャースのクラブハウス内で大谷を含めた選手たちの前で「これから報じられるすべてのことは自分の過ちです」と罪を認め、「自分はギャンブル依存症です」と告白。チーム関係者への謝罪もしたという。