生々しかった“裏切り行為”を告白された夜 米記者も「あんなに詳しく話すとは」と驚いた大谷翔平の証言とは?
行方知れずとなっている水原氏の供述も
記者会見で一方的ではあったものの、自身の考えを明確にした大谷。その証言内容は驚きを呼ぶものでもあった。(C)Getty Images
ただ、水原氏の説明と謝罪が英語であったため、大谷が裏切り行為の全容を知ったのは、宿泊するホテルに戻ってのことだった。「そのミーティングで彼は英語で全て話していたので、僕に通訳はついておらず、完全には理解できていなくて、何となくこういう内容だろうなと理解していましたが、なんとなく違和感も感じていました」と振り返った29歳は、その時の生々しいやり取りも打ち明けた。
「彼は僕に対して、ホテルに帰った後で2人でより詳しいことを話したいので今は待ってくれと、その時はホテルまで待つことにしていました。一平さんがその時、ミーティングの時にギャンブル依存症だと知らなかったし、彼が借金をしていることはもちろん知りませんでした。彼の借金返済に同意していませんし、ブックメーカーに対して送金をしてくれと頼んだことも、許可したことももちろんないです。
試合後、ホテルに戻って一平さんと初めて話をして、彼に巨額の借金があることをその時知りました。彼はその時、僕の口座に勝手にアクセスし、ブックメーカーに送金していたと僕に伝えました。
僕はやっぱりこれはおかしいなと思い、代理人たちを呼んで、そこで話し合いました。話が終わって、代理人も彼に嘘をつかれていたと初めて知り、ドジャースの皆さんと、弁護士に連絡しました。彼らも初めて嘘をつかれていたとその時に知りました。弁護士の人からは、窃盗と詐欺で警察と当局に引き渡すと話されました」
この会見で6度にわたって強調した「嘘」。この言葉の繰り返しが大谷陣営、ひいては本人の怒りにも似た感情を明確にし、水原氏から事態を説明された際の緊張も感じさせるものとなった。
実際、大谷の赤裸々な説明は現地メディアの間で驚きを呼んでいる。米大手放送局『CNN』が「説得力のある詳細な声明」と称えれば、米誌『Forbes』のアンソニー・ウィトラード記者は自身のX(旧Twitter)で「あんなに詳しく話してくれるとは思わなかった。彼の視点から、何が起きていたかをうまく説明してくれた。全体的に力強い発言だった」と好意的に評した。
まさにファンやメディアはもちろん、多くの球界関係者にとっても、青天の霹靂と言える非常事態となった今回のスキャンダル。今後は司法当局の取り調べ、またMLB側も調査を進めるとされるなか、行方知れずとなっている水原氏の供述も注目される。
いずれにしても、怒りと悲しみがこもった大谷の今回の声明発表が、世間の心を釘付けにしたのは間違いない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】「兄弟」から「嘘つき」への転落 違法賭博問題で解雇された水原一平氏が漏らしていた”本音”とは
【関連記事】「ギリギリの生活だった」水原元通訳の新証言 米ESPNで大谷翔平に肩代わりを求めた理由を告白「翔平を見るのは辛かった」
【関連記事】示されていた”予兆” ドジャース大谷翔平 水原通訳解雇騒動 大谷が事前に漏らしていた”本音”とは