36年ぶり2度目となる禁断の日本シリーズ第8戦は実現するのか、由伸登板を願うオリファンの祈りも多数
(C)ORIX Buffaloes
2年続けて熱戦が繰り広げられているヤクルトとオリックスの日本シリーズ。ここ数年はソフトバンクがセ・リーグチームを一方的に下す展開が続いており、昨年のシリーズは「日本シリーズがこんなに面白いのは久しぶり」とファンを興奮のるつぼに導いた。今年は第5戦を終えて2勝2敗1分けの五分。歴代最高クラスの名シリーズと言われた昨年を、上回らんとする勢いすら感じさせている。
【関連記事】原巨人、投手陣が壊れた「理由」 かつての腹心コーチが指揮官の起用法に言及
特にファンが熱い視線を注ぐのは、ここにきてにわかに現実味が増してきた第8戦の実現だ。第2戦はオリックス3点リードの9回に、ヤクルトの代打・内山壮真が起死回生の同点3ランをかっ飛ばすという劇的な展開で、延長12回の末にドロー。引き分けを1試合挟んだことで第8戦の可能性が浮上し、力が拮抗した五分の展開が禁断の決戦の予感をかき立てている。
日本シリーズの試合方式は7試合制。どちらか一方のチームが4勝した時点で終了する、という大原則がある。間に引き分けをいくつ挟もうとも、そこは揺るがない。今年は1引き分けを挟んだことで、第7戦終了時に3勝3敗1分けで並ぶ可能性が出てきた。そうなった場合、過去に一度しか行われていない日本シリーズ第8戦が実現する。
1950年から開催されてきた日本シリーズにおいて、史上唯一この第8戦までもつれたのが、1986年の西武対広島のシリーズだった。第1戦が延長14回の末に2-2の引き分け。第2戦以降は広島が3連勝し、日本一へ一気に王手をかけた。だが第5戦、西武は投手の工藤公康が延長12回にサヨナラ打を放つと、流れが一変する。そこから怒濤の3連勝。3勝3敗1分けで、雌雄を決する第8戦が開催された。
迎えた第8戦、先制したのは広島だった。先発の金石昭人が3回に、東尾修から先制2ランを放った。だが6回、その金石は秋山幸二に同点2ランを浴び、世間を驚かせたバク宙ホームインを許す。8回には金石がブコビッチに決勝二塁打を打たれ、西武が4連勝で一気に頂点まで駆け抜けた。