WTTスターコンテンダーに見る「次代」の女子卓球勢力図 日本勢のW戴冠が示すものとは
その陳熠を準決勝でこれまた大激戦で破ったのが世界ランキング26位の23歳、長崎美柚だ。長崎は回転が分かりずらいサービスで陳熠を翻弄。さらに、ブロックが得意な陳熠に対してあえて長いツッツキ(下回転)を送って先に攻撃をさせ、わずかに甘くなったボールを狙い打つプレーで仕留めた。
長崎は陳熠の前に何卓佳(同21位)、韓菲兒と2人の中国選手を破っており、3連破したことになる。決勝ではダブルスのパートナーでもある木原美悠(同25位)を破って優勝。国際大会の優勝から遠ざかっていた長崎にとって嬉しい復活の大会となった。なお、木原も石洵瑶(同16位)、王暁彤(同43位)と2人の中国選手、そして中国からマカオに帰化した元世界ランキング2位の朱雨玲を倒しての決勝進出だった。
一方、陳熠に敗れた張本は、大藤沙月(同8位、21歳)と組んだ女子ダブルスでは、陳熠/韓菲兒、銭天一/石洵瑶と中国ペアを連破、決勝で韓国ペアを破って見事優勝に輝いた。若手が中心だったとはいえ多くの中国選手が出場した大会でのこの成績は、次代の日本女子の優位を示すものである。卓球ニッポンの復活は近い。
[文:伊藤条太(卓球コラムニスト)]
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