よく耳にする日本投手の駆け込み寺、「ドライブライン」ってどんなところ?
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メジャーリーグだけでなく、日本のプロ野球選手にとっても「駆け込み寺」としておなじみの存在となった。シーズンオフを迎え、シアトル近郊のトレーニング施設「ドライブライン・ベースボール」に足を運ぶ選手が後を絶たない。
日本ハム・上沢直之は、投球フォームなどの動作解析のために、12月上旬から数日間滞在。さまざまな動きを見直したところ、チェックポイントが見つかり、そこを改善すれば直球の最速を2~3km伸ばすことが可能である手応えを得たという。これまで自己最速は152kmで、来季は155kmを目標に設定。「そうなれば真っすぐで空振りが取れるようになると思う」と目指していく。
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近年ではエンゼルス・大谷翔平が同施設でのトレーニングメニューを実践し、主に投球面でパフォーマンスを向上させたことで知られる。大谷は重さが異なるボールを壁当てなどで投げ分け、肩肘の強化だけでなく、身体全体の適応能力を活性化させているという。「プライオボール」と呼ばれ、硬式球が約145gなのに対し、100g、150g、225g、450g、1kg、2kgと6種類の重さが用意されている。
このオフも中日・根尾昂やソフトバンク・近藤健介らが同施設を利用したことが報じられた。もっとも2010年代後半からは、日本ハム・金子弌大やDeNA・今永昇太、浜口遥大、阪神・藤浪晋太郎、ロッテ・種市篤暉らが同施設のメニューや解析術に触れている。日本ハム・伊藤大海は苫小牧駒大時代からプライオボールを用いていたという。
日本での広告塔が大谷ならば、本場メジャーリーグで同施設の存在を知らしめたのが、現在は性的暴行疑惑により2年間324試合の出場停止処分を科されているドジャースのトレバー・バウアーだった。インディアンス時代のメジャー2年目の2013年シーズンを終えたオフに、ドライブライン・ベースボールの門を叩いた。
翌年からメジャー定着を果たし、2018年には28試合で12勝6敗1セーブ、防御率2・21とエース級の投手に成長。レッズ移籍後に迎えた短縮シーズンの2020年には、ダルビッシュ有との争いを制してナ・リーグのサイ・ヤング賞に輝いた。
モーションキャプチャーを用いた解析で、ピッチデザインが飛躍的に向上したという。変化球の回転軸の見直しだけでなく、例えば高めに投じるカーブが有効など、そこでは多くの「気付き」が得られた。