なぜ持ち味のドリブルは減少? スーパーゴール連発の背景にある三笘薫の変貌「より簡単なゴールの方が難しい」【現地発】

タグ: , , , , 2025/2/22

タフに戦い、指揮官が標榜する「献身」を体現し続ける三笘。(C)Getty Images

三笘が重宝され続ける理由

 さて、これらを羅列したうえで、特筆すべきは何か。それは日本代表ウインガーのチーム内での立ち位置だ。

 今季のプレミアリーグ全試合(※2月14日のチェルシー戦終了時点で25試合)出場はチームで唯一。公式戦も、これまでに消化した30試合中28試合に出場、これもチーム内最多の数字である。さらに出場時間も守護神のフェルブルッヘン(2250分)とDFヤン・ポール=ファンヘッケ(2219分)に続く3番目(2181分)である。

 無論、冒頭で触れたとおり、チーム内でトップクラスの攻撃スキルを備える三笘が、こと攻撃において欠かせない存在なのは間違いない。しかしながら、オフェンスのみに特化すれば、ほかにもシモン・アディングラやヤンクバ・ミンテ、ジョルジーニョ・ルターを優先的に起用する試合が多くてもいいはずだ。

 実際、昨年12月30日(現地時間)のアストンビラ戦、25年の初戦となったアーセナル戦と2戦連続で三笘がスタメンを外れた際には、彼らが先発で使われたが、それも束の間。直後のFA杯3回戦のノーリッジ戦からは当たり前のように背番号22が左サイドハーフの定位置に戻ってきていた。

 なぜなら彼は、前述のとおり、31歳の青年指揮官が最重要とするハードワークを厭わず、守備の局面においても高い位置からの積極的なプレッシングを繰り返し、ボールロストした場合には必死にトラックバックもする。時には自陣のボックス内でボールを跳ね返すこともある。

 現地時間2月8日に行われたFA杯4回戦、チェルシーを迎え撃った試合後の囲み取材で、三笘が考えるヒュルツェラー戦術とはどういったものなのかという質問が飛んだ。これに「相手に合わせて、自分たちのやりたいことはブラさずにやりますけど……」と前置きした27歳は、こう続けている

「より強度の高い守備をしないと難しい戦術をやりますし、一人ひとりのインテンシティーがないと難しいところがあるので、そこは求められてます。毎試合いろんな形でトライしてるので、その形がより後半戦で出てくればなと思ってます」

 また、1月下旬に行われたU-Nextのインタビューでは、インタビュアーが「三笘選手の守備での貢献度の高さが攻撃面で影響が出ているのではないか」という趣旨の質問をしている。

 これに対して本人は、こう答えている。

「それは少なからず出ていると思いますけど、チームが勝利するためのプレーはどんなプレーでもしないといけないと思っている。守備を10回してドリブル1回でも勝てばいい。逆にドリブル10回、守備1回で負けては意味がない。すべてをやらなくてはならない。その両方のクオリティーを上げないといけないと思っていますけど、成長過程かなと思っています」

 これこそが、今季の三笘のプレースタイルの変化であり、個人的には“肝”だと考えている。

関連記事

「アスリート/セレブ」新着記事

『CoCoKARAnext』編集スタッフ・ライターを募集

CoCoKARA next オンラインショッピング

PICK UP ユメロン黒川:寝姿勢改善パッド「nobiraku」 寝ている間が伸びる時間

腰が気になる方!腰まわりの予防に、試してみませんか? 寝ている間が、ととのう時間。 nobirakuはパフォーマンス向上の為の“大人のお昼寝”にも最適!

商品を見る CoCoKARAnext
オンラインショップ

おすすめコラム