“三笘対策”をいかにこじ開けるか プレミア2年目の三笘薫が直面する”真のスター”への試練【現地発】
ELと国内のコンペティションが並行したタフな戦いが続く今季のブライトン。そのなかで三笘に求められるものはハードルが高まっている。(C)Getty Images
さらにFW陣では、将来が嘱望される18歳のCFエバン・ファーガソンが第4節のニューカッスル戦でのハットトリックを決めて以来、低調なパフォーマンスに終始。そしてベテランのダニー・ウェルベックはスタンドプレーが悪目立ちしてしまっている。
また、今季のブライトンは怪我人も多い。三笘との相性が良く、コンビネーションプレーで左サイドを崩す“相棒”とも呼べる、ぺルビス・エストゥピニャンも離脱中だ。
前述のアストン・ビラ戦後、三笘に中盤センターが固まっていないチーム状況、さらにグロスがいなかった影響についても聞いてみた。
26歳の日本代表MFは、「選手を変えながらやってますけど、それで同じ質を保ててるかっていうのはそうでもない」と話すと同時に、自身へのもどかしさも感じさせるように言葉を紡いだ。
「ずっと(試合に)出てる身としては、もっとそこで自分たちが引っ張っていかないといけないんだけど……チャンスは数回……1、2個あるんで、そこを決め切らなくては。自分がもっと動き出して、変化をつけて、真ん中にも入って、自分たちからアクションして崩していかないと」
主力としての自覚を口にする三笘のプレーに焦点を当てると、今季はすべての人々を納得させるような“会心のパフォーマンス”は出し切れていない印象だ。強いて、印象深いプレーを挙げるとすれば、後半開始と同時にピッチに立ったボーンマス戦だろう。
1-1で折り返したものの、流れの良くなかったチームを変えるべく、背番号22は送り出された。そして出場からわずか15秒後に目に見える結果を出した。ファティとダフードとの連携から、鮮やかにゴールを奪ったのである。さらに77分にも、エストゥピニャンのクロスを頭で合わせてゴールネットを揺らした。
この試合後、三笘は次のように話している。
「僕がサイドにいるときは我慢してくれて後ろにいると思うんで、中に入った時に、ああいうクロスが上がるってことは、もっと僕が中に入んないといけないなと思ってます。それがいい形になったので、これからも増やしたいと思います」
ドリブルが絶対的な武器であるのは間違いない。ただ、三笘の最大の長所は、そのドリブルを使ったプレーからのインテリジェントなコンビネーションプレーにある。自身の言葉にもあるように、彼は巧みに周りを使いながら相手ゴールに迫る。それが違いを生んでいる。