最愛のサッチーが待つ天国へ旅立ったノムさん「アンタ、なにしてんのよ! しっかりしなさい!」「大丈夫、なんとかなるわよ」・・・
ノムさんが、愛するサッチーのもとへ旅だった。
プロ野球の野村克也氏(84)が2月11日に死去し、球界内外で悲しみが広がっている。ノムさんといえば、ボヤキ、ID野球、再生工場…。選手でも、監督でも、ご意見番としても偉大な功績を残した。それでも晩年で思い浮かぶのは、夫婦のツーショットという人も多いだろう。死因は虚血性心不全、いわゆる突然死で、くしくも17年12月に85歳で亡くなった沙知代夫人と同じだった。
「大丈夫、なんとかなるわよ」
夫婦の一方に先立たれると、後を追うようにして残された人も亡くなるケースがある。2年前に夫人を失った直後のノムさんは憔悴(しょうすい)して老け込み、心配する声が多かった。時間がたつにつれ、少しずつ愛称サッチーとの思い出を口にするようになった。
「サッチーがいなくなってしまって、しばらくは何もする気が起きなかった。毎晩のように、夢に出てきた。『アンタ、なにしてんのよ! しっかりしなさい!』 と。死んでも、怒られてばかりや」
「男は弱いと言うけど、痛感している。朝起きても話し相手がいない。仕事が終わって家に帰ったとき、ハッパをかけてくれる人が誰もいない。毎日何をして生きていけばいいんだろうと。典型的なマイナス思考。サッチーの口癖は『大丈夫、なんとかなるわよ』。何があってもそう言った。生来の不安性である私は、あのプラス思考にどれだけ救われたかわからない」
「仕事はすべて受けた。人と話せば、サッチーがいない寂しさを少しでも忘れられると思った。『男の値打ちは仕事で決まる。それがなかったら、あんたなんて終わっちゃうのよ。亭主が家の中をウロウロしていたら、そのうち病気になる。だから、あなたを休ませない。これも妻の愛よ』とよく言われていた。尻をたたかれてなければ、とっくにボケていたと思う。この年でも仕事をいただけけるのは、サッチーのおかげ」
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ノムさんが選ぶ「平成ベストナイン」 とは?(https://cocokara-next.com/athlete_celeb/katsuyanomura-heisei-best-nine/)