国指定の難病と向き合う湯浅京己に三嶋一輝が伝えた想い 明かされた藤川監督との秘話
藤川監督の気遣いに三嶋氏は感動したという(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
そうした指揮官の気遣いが、湯浅の起用やケアにもつながり、昨季40試合登板という結果に結びついたのではないかと、三嶋氏は感じている。
「いろんなことがつながって、あのシーズンになったんだと思います。監督が選手のことを本気で考えているチームなんだなって、外から見ていても伝わってきました」
現役時代、三嶋氏自身も「自分が自分じゃなくなったような感覚」に苦しんだ。
「なんでこれくらいしかできないんだろうって、ずっと考えていました。神経の病気って、周りからは分かりづらいし、説明してもなかなか伝わらない。その孤独感が一番きつかったですね」
だからこそ、湯浅の存在、そして藤川監督の姿勢に、強い意味を感じている。
「監督自ら、選手のために病気のことを理解しようとしてくれる。それだけで、選手は救われると思うんです。神経障害って、本当に人に分かってもらえない病気なので」
引退後、三嶋氏の中には新たな思いも芽生えている。難病と向き合う選手が、孤立せずに競技を続けられる環境をつくること。そのために、自身の経験を伝えていきたいという。
「これから同じような病気を抱える選手は、きっと増えていくと思います。だからこそ、まずは知ってもらうことが大事。病気の存在や、どういう症状があるのかを理解してもらえれば、選手も周りも、少し楽になると思うんです」
湯浅にかけた言葉も、決して特別なものではなかった。
「『無理しないで』とも『頑張って』とも言い切れない。ただ、『俺でよければ、いつでも相談して』って。それだけです」
同じ病と闘う者として、そしてプロ野球界の一員として。三嶋氏の言葉には、様々な枠を超え、難病への理解と支え合いの大切さを伝えたいという、静かな願いが込められていた。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
【関連記事】三嶋一輝が引退を決意した理由――不屈の13年、その歩みと覚悟「みんなが応援してくれているのに、中途半端な気持ちで応えちゃいけない」【独占】
【関連記事】「ちょっと舐めていました」――阪神・湯浅京己の告白 怪腕が向き合った難病、そして感覚と球質が一致しない“不安な日々”
【関連記事】10年後のドラフト答え合わせ “批判”が渦巻いた阪神の「未来の4番指名」は見方一変 9位から首位打者を誕生させたDeNAの眼識も評価【セ・リーグ編】






