【DeNA】元ドラ1が4年で掴んだ初勝利 「世代No1」だった小園健太に“2軍の恩師”が説いた“1勝の価値”「俺、1軍で勝てたんだ――」
球団のレジェンドでもある三浦監督とお立ち台で、笑顔を見せた小園。(C)萩原孝弘
収穫と反省のプロ初勝利
「長かったなって。悔しいことが多かったので」
7月3日の中日戦でプロ初勝利を挙げた小園健太は、その味を噛みしめるように言葉を発した。
【動画】元ドラ1が見せた気迫の投球 小園健太が竜打線をねじ伏せた奪三振シーン
2021年のドラフト1位でプロの門を叩いた。球団の高卒投手では10年ぶりのレアケース。さらに「相応しい投手が出てくるまで」と三浦大輔監督が封印していた背番号18をいきなり譲り受けるなど、大きな期待を背負った。しかし、超プロスペクトは人知れず、その重圧と戦い続けていた。
プロ2年間は一軍登板ゼロ。昨年4月に念願の一軍デビューを果たしたが、結果は伴わず……。小園自身も「早めにチャンスをもらったのに、不甲斐ない形でマウンドを降りてしまった。そこから1軍のマウンドには立てなかった」と自戒した内容でもあった。
それだけに2025年は「もう勝たないといけない。今年は本当に勝負の年」と覚悟を持って挑んだ。エースの東克樹と外国人3人衆の強力4本柱がローテーションの軸となる現状から開幕1軍こそ逃したが、2軍ではローテーションの中心として6勝、防御率1.67と快投を続けた。
「数少ないチャンスをものにするために、ファームから1軍に呼ばれる1番手であり続けるっていうのが、自分の中で心に期していました。いつ呼ばれてもいい準備をずっとして、試合に投げてました」
横須賀(2軍の拠点)で辛抱強く投げ続けた小園。昨年の二の舞いは踏まぬと、強い決心だけは揺るがなかった。
そして迎えた初登板が3日の中日戦だった。「チャンスは少ない」というプレッシャーもあったのか、初回に簡単に2アウトを取りながらいきなりの3失点を食らったが、2回からは粘りのピッチングで踏ん張り、首脳陣の期待に一発で答えを出してみせた。
「今日は絶対やってやるぞという気持ちで、得点圏にランナーがいても粘り強さは出せたのではないかなと思います。最低限の5回を投げられたことは良かったと思います。野手の皆さんに同点にしていただいたので、2回からは0-0の気持ちで割り切ってやれました」
そう自己評価を下す22歳だが、「初回はフォアボール、ヒット、ホームランとダメな形で失点してしまったので、立ち上がりをもっと気をつけないといけないです」とも吐露。「やっぱりムダなフォアボールを減らさないと、というところは第一にありますし、自分の持ち味でもあるいろいろな球種でストライクを取るというところに関してもあまりできていなかった。球種の幅も拡げていきたいですし、ストレートももっと強い球をなげられるようになっていきたいと思います」と収穫よりも遥かに多い改善点を口にした部分に、周囲に期待をかけられ続けている元ドラ1右腕の矜持を見た。






