青柳晃洋との厳しきマイナー契約に「害はない」 フィリーズ地元紙が信じる“元NPB投手三冠”の価値
幹部が肩を落とした山本&佐々木の獲得失敗
実際、球団幹部は青柳との契約に国際市場における強化を見ている。とりわけ日本球界との関係性の発展に対する自信を深めている。
フィリーズは過去2年で山本由伸と佐々木朗希(いずれもドジャース)の獲得に失敗。実力派の日本人争奪戦で存在感を示せなかった。そうした実情から『The Inquirer』は「日本の選手たちはロサンゼルスやニューヨークに魅了され続けている。それは大都市の明るさだけでなく、他の日本人選手が成功しているからでもある」と指摘。さらにデーブ・ドンブロウスキーGMの「ヤマモトやササキとの交渉でも我々が期待していたほど、扉は開かれていなかった」というコメントを紹介した。
だからこそ、マイナー契約でも青柳は球団にとって重要な価値を持つ。「フィリーズが極東で有能な選手を獲得しようとしても、うたい文句は失われている」とした同紙は、こう続けている。
「これは卵が先か鶏が先かという状況だ。フィリーズは影響力のある日本人選手と契約しない限り、日本市場に力強く進出することはできない。そして、日本に進出していないため、影響力のある日本人選手と契約することができないのだ」
もちろん、青柳のポテンシャルを正当に評価したからこその契約でもある。「アオヤギがここにいる理由はそれだけではない」と語るドンブロウスキーGMは「我々の組織がいかに彼ら(日本人)を歓迎しているかを示す絶好の機会だと考えている。だが、我々は彼がシーズン中にチームを助けられると思わなければ、そんなことはしない」と強調している。
繰り返すが、開幕投手も務めた信頼があった阪神時代と立場は違う。そんなゼロからのスタートで青柳がいかに結果を出すのかは興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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