まもなく開幕!『KPMG全米女子プロゴルフ選手権』見どころを徹底解説
来たる6月20日(木)、全米女子オープンに次ぐ歴史ある大会で、通称「全米女子プロ」と呼ばれるメジャー第3戦「KPMG全米女子プロゴルフ選手権」がいよいよ開幕する。
栄誉あるメジャータイトルと世界ナンバー1女子プロゴルファーの称号、そして賞金総額385万ドル(約4億1800万円)をかけて、世界のトップ選手たちが熱い戦いを繰り広げる。
この大一番を前に、ツアー通算5勝を誇り「世界でもベストのレフティ」と評された羽川豊に今大会の見どころを直撃した。
注目する選手、勝つための戦略とは……!?
写真/WOWOW
Q.KPMG全米女子プロゴルフ選手権のコースの特徴はいかがですか?
「ヘイゼルティン・ナショナルGCはラフの難しさがあると思います。ラフに入ってしまうと、長さというより粘っこさが強いので、出すことが非常に難しいです。そして、池が絡むホールが3ホールくらいあり、後半は16番ホールのティーショットが狭いです。試合の終盤で競った時にそこでスコアを大きく落としてしまったり、ミスをしてしまったりすると、なかなか優勝には近づいていけないと思います。全体的に、ティーショットで(ボールを)フェアウェイにキープすることがひとつのポイントだと思います。」
Q.日本人選手への期待は?
「日本人選手は各選手に優勝してほしいです。今大会はメジャー3戦目ですよね。やはり、ほかの試合でも勝っている選手ではないと、なかなかメジャー大会を獲る力は出ないものです。何故かというと、一つの試合を優勝することによって自信にもなりますし、技術も上がってきます。さらには、競った時の強さが出てきます。そのため、他の試合を勝つことによってメジャー制覇がより近くなるわけです。
日本人選手としては畑岡選手、野村選手の2人がLPGAツアーで勝っています。プレーヤーは一時的に体を壊すとスコアを崩しますし、順位も落としてしまいます。野村選手は昨年怪我がありましたが、もう一回振れるスイング・体になってきています。あとはパットさえ上手く噛み合ってくれば、LPGAツアーで勝った選手ですから、十分メジャー制覇のチャンスは出てきます。
また、畑岡選手は去年も今年も勝っているということで、メジャー制覇の確率が非常に高くなってきています。彼女の良い所はアイアンの上手さです。ティーショットは曲がることもありますが、アイアンに関しては勝負どころでも逃げないでピンそばに打てる力があり、ボールを止められる、これが彼女の良いポイントです。そこをちゃんと発揮できれば、あとはパットの良し悪しです。
唯一、畑岡選手に「ここがもう一つ」ということを挙げるなら、気持ちを全面的に出し過ぎてしまうところです。普段の練習においても、いかに気持ちを動揺させず、落ち着いてプレーすることが大事です。彼女には気持ちの強さがありますが、それを逆に出しすぎて空回りしている部分があります。それが一つ落ち着いた時に、上手さを発揮できるプレーヤーなので、畑岡選手には本当に良い試合をしてほしいと思います。」
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