「お金だけならサウジ」と語ったメッシの獲得を成功させた理由を米オーナーが激白 日本も参考したい「アプローチ」とは

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 かくして彼らの情熱はメッシを突き動かした。マス氏は、サッカー史に刻まれたメガディールを成立させるうえで、カギとなった要素について「Apple社との仕事を契約に盛り込むことは、これを成立させるために非常に重要だった」と漏らしている。

 マス氏曰く「利害が一致していた」というApple社との画策こそが、本人が「お金の問題だけならサウジアラビアに行っていた」と語る動向に大きな影響をもたらしたのは言うまでもない。

 MLSの放映権を持つApple社は、すでにメッシと長くパートナーシップを結んできたスポーツメーカーの『Adidas』社とともに行動を開始。初出場から優勝までをまとめたメッシのW杯における軌跡を描く4部構成のドキュメンタリー番組を作成。自社のサブスクである『AppleTV+』での放映を公表している。

 さらにマス氏は「彼はマイケル・ジョーダンやベッカムのような引退後を歩むにふさわしい」と主張。引退後はインテル・マイアミの株を一部だけ保持する条項が契約に付帯されているとした。

 最終的にメッシ本人とは1年の延長オプションが付帯した25年12月までの2年半契約を締結したマイアミ。それでも年俸は6000万ドル(約87億円)と「天文学的なオファーがあった」(米メディア『The Athletic』より)というサウジのそれには及ばない。

 しかし、「家族のことをもっと考えたい」「今までとは異なるサッカーで楽しむ時が来た」と語ってきたメッシにとって、先述のように金銭ではない部分のサポートの構築が交渉の肝となった形だ。

 綿密な計画でもって野望を叶えたマス氏は、インタビューでこうも語っている。

「彼は競争をし、勝つためにここに来てくれる。あれほどの世界最高の選手が来てくれるのであれば、すでに成長してきていたアメリカ・サッカー界を新たなレベルに引き上げてくれるのは間違いないよ。もちろんサッカー以外の側面でも大きな影響があると考えている」

 先日、アンドレス・イニエスタが神戸を退団し、話題を集めたJリーグにとっても、この交渉術は興味深いところだ。

 もちろん、少なからず“コネ”は必要ではある。がしかし、インテル・マイアミのようにピッチ外の要素に重きを置いたアプローチは、Jリーグクラブが新たな大物選手を日本へ連れてくるうえでカギとなるのではないだろうか。





[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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