実名報道を望んだ阪神・藤浪投手に厳しい指摘「美談ではなく危機管理意識の低さ」
ついに球界にも新型コロナウイルス感染症の陽性者が出てしまった。それも一度に3人も。阪神は27日、藤浪晋太郎投手、長坂拳弥捕手、伊藤隼太外野手の3選手がPCR検査で陽性反応が出たと発表した。3選手は保健所の指示で入院することが決まった。
まず最初に阪神・藤浪が陽性反応を示したことが報じられた。その前日、検査を受けることが決まった段階から、藤浪本人が実名での公表を望んだという。
藤浪はコーヒーやワインの匂いを感じないなど、嗅覚に異常を訴えていた。他の2選手は味噌汁の味がしないなど、味覚に異常を覚えていた。世間一般に伝わっていた情報では、嗅覚、味覚の異常というのは、新型コロナウイルス感染症の兆候や発症例としては知られていなかった。そこでファンや世間への啓発の意味も込めて、広めたかったという。
その効果はすぐに表れた。同じ27日に姫路市で検査を受け、陽性反応を示した女性は市の聞き取りに対し「藤浪投手と同じ症状だったので心配になって」と明かしたという。
女性の件を待つまでもなく、藤浪のこうした姿勢を肯定的に伝えたメディアもあった。一部のファンもそれに追随した。検査前の段階で、藤浪の心持ちは不安だっただろう。そんな中でも、実名報道を望んだ気概を美談のようにはやし立てる向きがあった。
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