井上尚弥に屈してから9か月――“悪童”ネリの再起 母国を熱狂させた亀田京之介撃破「醜い出来事を過去のものにした」

ようやく井上戦の敗北からリスタートを切ったネリ。(C)Getty Images
壮大な目標を叶えるべくメキシコの悪童が再起した。
現地時間2月22日、プロボクシングの元2階級王者ルイス・ネリ(メキシコ)は、故郷ティファナでWBA、WBO世界フェザー級15位の亀田京之介(TMK)と124ポンド(約56.2キロ)契約のノンタイトル10回戦を実施。序盤からアグレッシブに攻め抜き、7回TKO勝ちを収めた。
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屈辱の敗戦からネリはリスタートを切った。昨年5月に井上尚弥(大橋)との東京ドーム決戦で初回にダウンを奪うなど見せ場を作りながら、6回TKO負けを喫していた30歳は、約9か月ぶりの再起となったこの亀田戦で意地を見せた。
地元の大歓声に背を押され、リングに迎え入れられたネリは、初回から積極的なパフォーマンスを披露。亀田から「来いよ!」と言わんばかりの挑発を受けたが、冷静に試合を推し進めていく。
4回にネリが猛攻を展開して会場も一気に盛り上がる。これで試合の流れを完全に掴むと、足が止まった亀田を一気呵成に攻め立てる。5回に右目上、6回に左目上と、亀田が接触による流血に見舞われて試合は一時中断となるも、集中力を切らさなかったメキシカンは7回に2度のダウンを奪って勝負を決めた。
両雄は試合前から白熱のやり取りを繰り広げた。2月10日の会見ではフェイスオフの際にネリが「傲慢で失礼な態度でやってきた」と亀田の顔面をめがけて左右の拳を振り上げた。クリーンヒットはせず、大乱闘には至らなかったものの、その言動は波紋を広げていた。