山中慎介が展望を語る 伊藤雅雪が五輪戦士へリングを迎える2度目の防衛戦

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■ロマチェンコ戦への布石になるような試合を期待

――今回、伊藤選手が迎えるへリングは長身のサウスポーです。
山中「しかもオリンピックに出場しているんですよね。長身サウスポーというだけで戦いにくく敬遠されがちなのに、加えてオリンピックに出ているほどの実力者というわけですから、ちょっと厄介かもしれないですね」

――まさに山中さんが長身サウスポーでしたが、自分よりも少し背の低い右構えの選手との試合は何がカギになるのでしょうか。
山中「僕の場合は距離を一番大事にしていました。こちらのパンチは当たるけれど相手のパンチは届かない、その距離から踏み込んで打つわけです。右構えの相手との試合では利き手、つまり僕の左手、相手の右手を気にして戦いました。すでに構え合ったときの位置は相手の左フックが当たらない距離なので、踏み込んで打ってくる右を警戒しました。へリングが僕と同じスタイル、考えかどうかは分かりませんが…」

――伊藤選手はどんな点に注意する必要があると思いますか。
山中「伊藤選手にとってへリングは戦いにくいタイプかもしれないけれど、攻めていく姿勢が重要になるでしょうね。まして伊藤選手は注目されているなかでアピールしたいはずなので。警戒する相手のパンチとしては、右ジャブから絶妙なタイミングで放たれる左ストレートでしょうか。その左に注意しながら、パンチの軌道やタイミングを見極めて攻めていくことが要求される試合になると思います。ときには強引に攻めて出なければいけない場面もあるかもしれませんね」

――伊藤選手にエールを。
山中「スーパー・フェザー級には海外でも人気と実力のある選手が集まっているので、伊藤選手はただ勝つだけではなく内容も問われる立場になっていますよね。だから『また伊藤の試合を見たい』と思わせるような戦いをしてもらいたいですね。彼はワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ ※WBA&WBO世界ライト級王座に君臨する3階級制覇のスター選手)との対戦を目標にしているんでしょう? その目標設定はすごくいいと思います。ロマチェンコの名前を出したとき、伊藤選手はすごくギラギラしていましたから。強がっているのではなく、ワクワクしている感じでした。挑戦する気持ちを忘れていない証拠だと思います。だから、今回もみんなの期待に応えるような勝ち方をしてほしいですね」

 WBO世界スーパー・フェザー級タイトルマッチ「伊藤雅雪(28=日本)対ジャメル・へリング(33=アメリカ)」は、5月26日(日)午前11時からWOWOWライブで生中継する。

[文/構成:ココカラネクスト編集部、取材協力:WOWOW]

山中 慎介(やまなか・しんすけ)

1982年10月11日、滋賀県出身。アマチュアを経験後、06年1月に帝拳ジムからプロデビュー。11年11月、WBC世界バンタム級王座を獲得し、左構えから繰り出す「ゴッドレフト」を主武器に6年間に12度の防衛を果たした。18年3月に引退。戦績は31戦27勝(19KO)2敗2分。

◆◆◆WOWOW番組情報◆◆◆
★『生中継!エキサイトマッチスペシャル 伊藤雅雪、海外防衛戦!』
対戦カード/WBO世界S・フェザー級タイトルマッチ:伊藤雅雪 vs ジャメル・ヘリング
対戦カード/WBO世界S・フライ級挑戦者決定戦:江藤光喜 vs ジェイビエール・シントロン
【放送日】5/26(日)午前11:00[WOWOWライブ] ※生中継

※WBA世界フェザー級タイトルマッチ:シュー・ツァン vs久保隼
※WBA世界L・フライ級タイトルマッチ:カルロス・カニサレス vs木村翔
5/26(日)夜8時頃~WOWOWメンバーズオンデマンドにて先行ライブ配信!

■その他の情報は、WOWOW番組オフィシャルサイトへ!
https://www.wowow.co.jp/sports/excite/

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