いざ40歳シーズンへ・・・「松坂世代」ラスト5人の奮闘から目を離すな
必死に汗を流す5人の男たち
阪神・藤川球児投手
今もなおバリバリのトップランナーに君臨するのは藤川投手です。「JFK」「火の玉ストレート」で一時代を築いた稀代のクローザーは2012年オフ、MLBに挑戦します。
様々な経験を重ね、2016年に阪神に復帰。するとかつての栄光に別れを告げ、「便利屋」としてどんな仕事でも引き受けます。昨年途中からはクローザーに復帰。登板56試合で4勝1敗16セーブ、防御率1・77と完全復活を果たし、再び猛虎の守護神へと舞い戻りました。
今季もチームの勝利第一主義の姿勢はもちろん変わらず。虎視眈々と開幕の瞬間へ牙を研いでいます。
ソフトバンク・和田毅投手
「サウスポーは右投手と比べて現役生活が長い」とも言われます。若い頃は本格派でも、ベテランの域にさしかかれば技巧派に転じ、投球術で選手寿命を長引かせることができる。この説は工藤公康投手らが実証しています。この系譜でいえば、和田投手もまだまだ十分活躍できそうです。
今季の開幕ローテーションは東浜投手やムーア投手、石川投手とともに「当確」ランプが点灯しています。3月18日、社会人の強豪・JR九州との2軍練習試合に調整登板すると、3回を1安打無失点。テンポの良い投球で格の違いを見せつけ「和田健在」を印象づけました。
最速は140キロ前後でも、カーブなどとの「緩急」で翻弄できるのが強み。強力打線をバックに、今季も勝ち星を積み重ねそうです。
楽天・久保裕也投手
昨季も22試合に登板し、2勝1敗、防御率2・82と安定した成績を残しました。巨人時代から高い身体能力を誇り、ブルペンでも試合でも投げて、投げて、投げまくるスタイルが持ち味でしたが、鉄腕ぶりは今も変わらず。今年も久米島キャンプでもブルペンに入り続けてきました。
2002年に巨人の自由獲得枠で東海大から入団したエリート。しかし、巨人とDeNAから戦力外通告を受け、17年には楽天へテスト入団も右手のけがでまたもや戦力外となり、育成契約から支配下へ這い上がるなど、酸いも甘いも味わってきました。だからこそ今、現役選手でいる喜びをかみしめ、前向きに野球へと取り組んでいます。
若き投手陣が集う楽天イーグルスにとって、その存在は今もなお、大きいものがあります。
楽天・渡辺直人内野手
松坂投手を含む前述の4人が「ドラフト1位か自由獲得枠入団」なのに対して、渡辺選手は無名県立高校の茨城・牛久高校から城西大、三菱ふそう川崎を経て2006年、大学・社会人ドラフト4巡目でプロ入りした「たたき上げ」です。
さらには前述の4人が投手なのに対して、「松坂世代最後の現役野手」という称号も加わりました。今季は1軍打撃コーチとの兼任で、40歳シーズンへと臨みます。
イーグルスの初期を彩った職人肌のショートストップですが、渡辺選手のもう一つの「武器」は、人望の高さです。横浜(DeNA)、西武、再び楽天と「ジャーニーマン」としての選手生活を過ごしますが、一緒にプレーした若手に「信奉者」が続出するのも特筆すべきことでしょう。
無名高校から真摯に野球へと取り組み、この世界で生き残ってきた「巧の技」は今後、イーグルスの若手選手たちに継承されていくことに違いありません。そして現役選手である「渡辺直人」を見続ける喜びを存分に味わいながら、2020年シーズンに注目していきたいものです。
40歳、不惑を迎えながらも必死に汗を流す5人の男たちに、心からエールを送りたいと思います。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]