虎党を“裏切った”元阪神助っ人の今 ロハスJr.が韓国で評価を高める理由「日本で失敗したから、何とかやってやろうと」
韓国でふたたび猛打を振るっているロハスJr.。その打棒には指揮官も脱帽する。(C)Getty Images
日本で辛酸をなめた助っ人が、韓国でふたたび存在感を強めている。元阪神のメル・ロハスJr.だ。
今季にKBO(韓国プロ野球)リーグのKTウィズ復帰したロハスJr.は、開幕から好調を維持。現地時間5月22日時点で49試合に出場し、打率.299、11本塁打、34打点、出塁率.424、長打率.561、OPS.985と打ちまくっている。OPS1.217を記録した開幕直後の勢いこそ落ち着いてきたが、数字は安定している。
日本時代を思えば、目を見張る活躍と言っていい。20年に打撃二冠王(本塁打&打点)とリーグMVPのタイトルを引っ提げて阪神に入団したロハスJr.だったが、新型コロナウイルスの蔓延で合流が遅れた影響もあり、低調なパフォーマンスに終始。NPBでの2年間で通算打率.220、17本塁打、48打点、OPS.697と鳴かず飛ばずで、「韓国から凄まじい助っ人がやってくる」という虎党の大きな期待を裏切る形となっていた。
日本の野球に馴染むのに苦心した阪神時代を「簡単に良い悪いを言うことはできないけど、日本は韓国より球速が速い投手が多いんだ。制球力の良い投手ももっと多かった」と振り返っていたロハスJr.は、今まさに第二の春を謳歌している。
慣れ親しんだ土地で本領を発揮する助っ人砲に指揮官も舌を巻く。今季はロハスJr.を1番としても抜擢するKTウィズのイ・ガンチョル監督は、日刊紙『朝鮮日報』で「1番起用は外国人選手にとっては簡単なことではない。『なんで俺が打たなければならないのか』と思うこともあるだろうから、彼には感謝の気持ちを持っている」と吐露。そして、韓国で活躍できる理由を分析する。