【男子バレー/ミドルブロッカー検証】小野寺、山内、髙橋が不在の中でアピールするフレッシュな面々 それぞれの特長と可能性を探る
また、その佐藤が「対戦していてブロッカーからすれば“いやらしい”、いやなアタックを打ってくる」と評価する三輪大将(広島TH)も予選ラウンド第2週からメンバー入り。2023年の初登録からこれまではB代表で活動してきたが、今回初めてA代表として国際大会に出場を果たし、そこでは佐藤の言葉どおり巧みに打ち分けるクイックで攻撃のアクセントになっている。現地6月27日のウクライナ戦では今大会で初めて、佐藤と三輪がそろってスタメンで起用された。
だが、その試合はウクライナの粘りと勢いの前に日本は苦しむ展開が続く。フルセットに持ち込んだものの、2-3(26-24、17-25、18-25、25-22、13-15)で敗れる結果に終わった。
そのなかでも途中出場ながらチーム最多3本のブロックポイントをマークしたのがエバデダン ラリー(大阪B)。あとがなくなった第4セットから投入されると、セットの最後を連続ブロックシャットで締めくくっている。もっともラリーはA代表での活動歴において、一日の長がある。2022年の初登録後、A代表に帯同しながら着々とプレー機会を増やし、同時に2024-25 大同生命SVリーグや今年5月のアジアチャンピオンズリーグでベストミドルブロッカーに輝くなどステップアップを遂げてきた。そこでは「技術や精神面はもちろん、日頃の生活からあらゆることで上級者を目指す」心構えを持ち、例えば食生活も体脂肪の数値などを踏まえながら食事を摂り、また自宅で過ごす隙間時間にもストレッチやトレーニングに励むなど意識改革を講じていた。昨年夏のパリ五輪は出場メンバーから落選も、チームには帯同。それだけに3年後にむけて、思いを強くしている。
かつて海外勢に比べてサイズに劣る日本のブロックはウィークポイントとされてきたが、それも今は昔の話。個のスキルや体格はもちろんだが、チームとして敷くディフェンスシステムの一員、そのミドルブロッカーとして世界と十分に戦えることを証明してみせたのが小野寺であり、山内であり、髙橋だった。3人が再び日本代表の力になる可能性もあるわけだが、その彼らに続き、さらには上回るべく、ミドルブロッカー陣のフレッシュな面々は戦いを通して、己を磨いている。
[文:坂口功将]
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