“悪童”カシメロに失望の声止まず 井上尚弥との広まる差に母国紙も酷評「怪物に単なる殴り合いは通用しない」
井上との対戦をかねてから口にしてきたカシメロ。しかし、彼の直近のパフォーマンスには批判が相次いだ。(C)Getty Images
今夏にWBC&WBO世界スーパーバンタム級王者となった井上尚弥(大橋)は、さらなる快挙に向け、順調に歩みを進めている。去る10月12日にドミニカ共和国で開催中のWBO年次総会の会合で、WBAスーパー、IBF世界同級王者マーロン・タパレス(フィリピン)の陣営が12月26日に4団体統一戦を行なう予定であると報告した。
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日本開催が有力視されている大一番で覇者となれば、井上は史上2人目となる2階級での4団体統一となる。彼の声価はより世界規模で高まっていくに違いない。
日進月歩で進化を続け、スターダムをのし上がる井上。そんな30歳の怪物を尻目に、“因縁のライバル”の評価は著しく低下している。元世界3階級制覇王者のジョンリエル・カシメロ(フィリピン)だ。
時に挑発的な言動を口にし、バンタム級時代から「モンスター」(井上の愛称)との対戦を熱望してきたカシメロ。しかし、34歳のベテランとなった猛者は、今月12日に東京・有明アリーナで小国以載(角海老宝石)とのスーパーバンタム級のノンタイトル戦に臨んだが、もどかしい結果となった。4ラウンド途中に偶然のバッティングにより相手が頭部を負傷。出血が止まらなかったために引き分けに終わったのである。
井上との対決に向け、“日本デビュー”を果たしたカシメロには豪快なKO勝利でのアピールが求められていた。それだけにスタミナ面などでも精彩を欠いた感が否めないパフォーマンスには、先を行く怪物が遠のいた印象がある。