「イノウエはいかに魅惑的か」井上尚弥の世界進出の是非に英記者が指摘 怪物の輝きは「文化を超越している」
タパレスを粉砕して史上2人目の快挙もやってのけた井上。その強さには世界の識者も脱帽するほかになかった。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
ふたたび世界を熱狂させるか。日本が誇る“モンスター”に熱視線が注がれている。
昨年12月26日に行われたWBA&IBF王者だったマーロン・タパレス(フィリピン)との世界スーパーバンタム級4団体統一戦を制した井上尚弥。史上2人目となる2階級での“完全制覇”を成し遂げた怪物は、来る5月6日に東京ドームで元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)との防衛戦実施が有力視されている。
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仮に東京ドームでの決戦が実現すれば、ボクシング界では1990年2月のマイク・タイソン(米国)とジェームス・ダグラス(米国)の一戦以来となる歴史的な興行だ。メインを張るとなれば、日本人史上初である。
文字通りの大舞台での世界戦を控える井上には、海外メディアも今以上のスター化への期待が強まっている。英ボクシング専門メディア『Boxing News』のエリオット・ワーセル記者は「ナオヤ・イノウエの東京ドームでのルイス・ネリ戦は、彼がボクシング界の大スターになることを示唆しているのだろうか?」と銘打った記事で、次戦に向けた考察をまとめている。
井上が10回TKO勝ちを収め、改めて規格外の強さを証明したタパレス戦について、ワーセル記者は「興味深かったのは、この試合でのイノウエがいかに魅惑的であったかということだった。カジュアルなファンがボクシングに求め、期待するものをすべて与えていた」と絶賛。「彼は礼儀正しく、試合中に悪びれる様子は微塵もない。さらにあらゆるパンチを正確に、破格力を持って放ち、もはや人間というよりコンピューターゲームのキャラクターのように見えた」と目の当たりにしたモンスターの凄みに脱帽した。