米国進出の意義に異論! 井上尚弥への日本開催批判に英識者が反発「アメリカで戦わなければ、真のスターになれないのか?」
圧倒的強さで、ライバルたちを次々と撃破し、日本のみならず、世界を熱狂させる。そんな井上に思わぬクレームが飛んでいる。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
井上尚弥(大橋)の強さを巡って思わぬ論争が起きている。それは「なぜイノウエはアメリカに進出しないのか」というものだ。
以前から存在していた議論をふたたび白熱させたのは、元世界王者の“井上評”だった。去る現地時間4月12日に、米ボクシング専門YouTubeチャンネル『ProBox TV』に出演した元世界ウェルター級王者2団体王者のショーン・ポーター(米国)氏が、次のように説いたのである。
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「イノウエはスーパースターで、海外へ行く必要はないのだろう。だけど、彼がいわゆるボクシング界で、世界最高のスターになりたいならこっち(米国)での試合が必要だ。イノウエの目指しているゴールが何なのか、それは俺には本当にわからない。でも、ボクシングでは海を渡り、アメリカに来て、アメリカ人を倒して、ファンに注目してもらわなければならないんだ」
21年6月にマイケル・ダスマリナス(フィリピン)とのWBA・IBFバンタム級タイトルマッチ以来、国内興行を続けている井上。米国でのタイトルマッチ経験こそあるものの、ポーター氏は「ボクシングの本場で力を証明しろ」と言わんばかりの持論を展開した。
ポーター氏に同調する声は相次いだ。一方で、井上が莫大なる収入を生み出していることもあり、日本開催の“価値”を好意的に捉える識者もいる。
英ボクシング専門サイト『Boxing News Online』は「イノウエはアメリカで戦わなければ、真のスターになれないのか?」と銘打った特集記事を掲載。そのなかで、元プロボクサーであり、現在はプロモーターとして活躍しているジェイミー・コンラン氏は、「私はポーターの意見には全く同意できない」と断言。その理由を次のように説いている。
「私はすでにナオヤ・イノウエは世界的なスーパースターだと思っている。彼は軽量級の選手をボクシング界のマップに載せた。そして、いまや誰もが彼を追随している。ポーターのような人たちの言いたいことは分かるよ。この業界がアメリカを中心に回っていると思っているんだ。でもね、PPVを含めた世界的な観客動員数は、イノウエがアメリカで戦う必要がないことを証明しているんだ」