「強く反対する」井上尚弥のフェザー転級に米名伯楽が反発。“安易な階級上げ論”を危惧「ファンを喜ばせるのは難しい」
スーパーバンタム級でも電光石火で4団体統一を果たした井上。その強さゆえにさらなる階級上げを求める声は小さくない。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
日本が生んだ怪物の“行く末”が小さくない注目を集めている。
去る5月6日、東京ドームで34年ぶりに実現したボクシング興行のメインマッチを務めた井上尚弥(大橋)は、元世界2階級制覇王者のルイス・ネリ(メキシコ)を6回TKOで撃破。世界スーパーバンタム級4団体王座を防衛するとともに、プロキャリアの戦績を27戦無敗(24KO)とした。
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またひとつ無敗街道の歩みを進めた井上。バンタム級から転級した際には、「パワー不足」も指摘された現階級でも3戦3KO(1TKOを含む)と文字通り敵なしの強さを誇る。となれば、周囲が必然的に求めてしまうのが、さらなる階級上げた。
もっとも、当人は階級上げには「ベストなパフォーマンスが出せないならしない」と以前から慎重な姿勢を貫いている。その考えを表すように年内はスーパーバンタム級で戦う意向を公表済みで、次戦もIBF&WBOスーパーバンタム級1位のサム・グッドマン(豪州)とのマッチメイクが決定的となっている。
ただ、いまや井上はあらゆるメディアのパウンド・フォー・パウンド(PFP)でも1位の評価を受け、「世界最強」と呼ばれる存在。それゆえに、もう一つ上のフェザー級に進み、強さを求めるべきだと論じるファンは少なくない。
だが、少なくとも、現時点で無理をして階級を上げる必要はないのではないか。“ボクシングの本場”アメリカの識者ですらそう論じている。