井上尚弥との緊急対戦が決まった謎めく韓国の刺客に集まる関心 「絶対的優勢」だからこそ問われるモンスターの真価
もっとも、その謎めいた存在感がゆえに注目は増している。英ボクシング専門サイト『Boxing News24』は、「イノウエに新たに挑むことになった韓国人は一体何者か」と銘打った記事を掲載。「イノウエのチームは、まるで映画『ロッキー』の一場面のような選択をし、ほとんど誰も聞いたことのないランク外のファイターを対戦相手に選んだ」と指摘した。
実際、映画『ロッキー』の主人公のように、キム・イェジョンが、絶対王者である井上を苦しめることができるのかは疑問だ。過去に日本では非公認のWBAアジアや、IBFアジアの同級地域タイトルを獲得している実績はあるが、2023年4月のロブ・ディーゼル(米国)戦など直近の試合映像を見る限り、攻守の隙は否めない。どうしても井上があっけなく蹂躙してしまう姿は容易に想像できてしまう。
戦力差を現実的に考えれば、井上にとっての敵は周囲の重圧か。WBO以外の3団体で世界ランキングに入っていないような“格下”とされる相手との試合では、ファンはKOという分かりやすい形での勝利を求めるのが常。そうしたプレッシャーをモンスターがいかにはねのけるかは興味深いところでもある。
波乱続きだった試合でいかに見せるか。予期せぬアクシデントが続いた試合だからこそ、井上の真価が問われるのかもしれない。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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