井上尚弥への“懐疑論”を米記者たちが一蹴 ベストを求める姿勢に感嘆「リスクを冒して結果を残した現役ボクサーは他にいない」

並み居る難敵たちを打ち破ってきた井上。その強さを米記者たちも認めている。(C)Takamoto TOKUHARA/CoCoKARAnext
25年も井上尚弥(大橋)の活躍に関心は高まる一方だ。
去る1月24日に行われた世界スーパーバンタム級4団体防衛戦で、WBO同級11位のキム・イェジュン(韓国)に4回KOで圧勝した“モンスター”は、今春に米ラスベガスでの対戦が決定的となっているWBC同級1位アラン・ピカソ(メキシコ)戦を皮切りに、本格的な世界進出が見込まれている。
【動画】井上尚弥、電光石火のKO劇! 韓国のキム・イェジュンを沈めた戦慄の右ストレート
常に「ベストの井上尚弥というのを常に見せていきたい」と語ってきた井上が環境の異なる世界を舞台にライバルたちと拳を交わす。間違いなく興味深い遠征となるわけだが、その動向には国際的な関心も高まっている。
米専門メディア『Boxing Scene』は業界に精通するジャーナリストの“モンスター”に対する見解を一挙に紹介。数々の指摘がなされた中で井上の「価値」を強調する意見が目立った。
デクラン・ウォリントン氏は「歴史上で、あらゆる王者たちをすべて倒し、その階級から挑戦者となり得る可能性のある選手を完全に一掃し、なおかつそれを2階級連続で制覇した選手が何人いるだろうか」と指摘。4階級で敵なしの強さを誇り、立ちはだかるライバルたちをなぎ倒してきた井上の異能ぶりを論じた。
「オレクサンドル・ウシクとテレンス・クロフォードは、いずれも自分の階級に定着するために戦い、いきなり王座に挑んだわけではない。イノウエのようにリスクを冒しながらも結果を残した現役ボクサーは他にいない。彼はデビューから3度、その階級で最強の相手と戦ってきた」
もっとも、スターダムをのし上がってきた井上のキャリアに“逆風”がないわけではない。とりわけアメリカのボクシングファンや識者は日本を拠点に戦ってきた背景をふまえ、「アメリカに来て、アメリカ人を倒して、ファンに注目してもらわなければならない」(元世界ウェルター級王者2団体王者のショーン・ポーター氏談)と指摘されてきた。