タイソンやフォアマンになかった“最強の理由” 米名伯楽が「本当に怖くなった」と慄いた怪物・井上尚弥の神髄

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 井上を「全てが優れている」としたアトラス氏は、「彼は500馬力のフェラーリのようだが、それを壁に突っ込ませない優れたドライバーでもある」と指摘。独特な表現で称えた上で、「多くの人が見落としている」という怪物の凄みを語った。

「彼の試合前の表情を見たときに、私は強烈な印象を受けたんだ。私はソニー・リストン(元WBC世界ヘビー級王者/米国)やジョージ・フォアマン(元WBA・WBC・IBF世界ヘビー級王者/米国)の威圧的な睨みを見てきた。マイク・タイソンも若い頃はそういう目をしていた。でも、イノウエはどの選手とも違うんだ。

 試合直前になると、まるで何かに憑依されたかのように別人に変わる。それを見たときに私は『ワオ……。こいつはただならぬ雰囲気を持ってるぞ』と思った。ただ、イノウエはタイソンやフォアマンみたく試合前だけ威圧的に見せるだけじゃなく、試合中もずっと怖かった。そして、試合が終わるとまるで近所にいる心優しい少年のように笑っていた。だから本当に怖くなったんだ」

 先述のように類まれなスキルやパワーにフォーカスされがちな井上。だが、百戦錬磨の名トレーナーが「本当に怖い。まさに本物だ」と恐れをなす覇気こそ、31歳の日本人を「最強」とされる理由の一つなのかもしれない。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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