“番狂わせ”の可能性は「まぐれじゃない」 井上尚弥と激闘のカルデナスを米絶賛「イノウエの最高を引き出す資質を証明した」

井上との手に汗握る攻防を繰り広げたカルデナス。この両雄のパフォーマンスに賛辞は相次いだ。(C)Getty Images
過去最大級の“番狂わせ”の可能性を感じさせた挑戦者の存在こそが、井上尚弥(大橋)の価値を高めた。
現地時間5月4日、現地時間5月4日、ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)は、米ラスベガスのT-モバイルアリーナで行われた4団体統一タイトルマッチ12回戦で、WBA同級1位のラモン・カルデナス(米国)を相手に、8回45秒TKO勝ちを収めた。
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結果的に井上の「圧勝」ではあった。ただ、いわば「アンダードック」の立場にありながら、積極果敢に打ち合い、激しい攻防を繰り広げたカルデナスの健闘ぶりも光る一戦だった。
試合後に井上に「思っていた以上」と言わしめたカルデナス。絶対王者を研究しつくしたであろう挑戦者が、この試合最大級の見せ場を生んだのは2回だった。
序盤から果敢に距離を詰め、接近戦を選択したカルデナスは、井上の打ち終わりを狙いすまして左フックを炸裂。これが見事に王者の顔を捉え、ダウンを奪ったのである。
波乱の展開の中で冷静さを失わず、8回TKOという形で王座を防衛しきった井上は見事だった。しかし、渾身の左フックでラスベガスを、アメリカを、そして世界をドッと沸かせてみせたカルデナスは称賛されて然るべきだろう。