井上尚弥への“過大評価”風潮は「知識の無さ」 ダウン揶揄にフルトンら世界王者が猛反発「命を懸けて戦っている。感謝してくれ」
見事な挽回劇で防衛を果たした井上。(C)Getty Images
世界王者たちは、ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)のエキサイティングな防衛劇を称えている。
話題沸騰となったのは、現地時間5月4日に米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナで、WBA世界同級1位のラモン・カルデナス(米国)と繰り広げた井上の激闘だ。
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出鼻をくじかれる苦しい序盤戦だった。両雄が積極果敢に前に出た2回、井上はカウンターで繰り出された左フックを被弾。渾身の一発をもろに顔面で受けた絶対王者は力なく崩れ、キャリア2度目のダウンを喫した。
しかし、井上はそこから挑戦者を圧倒する。距離感を調整し、手数も増えた4回以降はカルデナスに付け入る隙を与えず。7回にダウンを奪うと、続く8回には猛ラッシュでふたたびダウンを奪取。ここでグロッキー状態ともなっていた挑戦者の状態を見かねたレフェリーが試合を止めた。
終わってみれば、圧勝と言える内容での防衛劇だった。しかし試合後には、井上に対して一部の識者やファンからシビアな意見が噴出。衝撃を走らせたダウンもあって、Xでは「イノウエは過大評価をされている」といった声が相次いだ。
そんな“モンスター”への懐疑的な風潮に反論したのは、他でもない世界チャンピオンたちである。
元WBC&WBO同級王者で、23年7月に井上と実際に拳を交わした現WBCフェザー級王者スティーブン・フルトン(米国)は、一部ファンの井上を揶揄する意見に「俺たちは戦っているんだ。何人かはダウンするやつもいるだろう。これは戦いなんだぞ!」と一喝。さらに「(井上が)ファンのために命を懸けて戦っていることに感謝してくれ、それだけだ」とリングに立って戦う戦士へのリスペクトを求めた。






