井上尚弥を“苦しめた”カルデナスは「勝者だ」 敵陣営の名参謀が送った言葉「本気でイノウエに勝ちに行った姿が人の心を打った」
井上と試合後に2ショットを撮るカルデナス。(C)Getty Images
舞台となった米国のみならず、日本はもちろん、世界で注目された激闘だった。だからこそ、敗者にも光は当たる。
日本でも存在が小さくない話題となったのは、ボクシングのスーパーバンタム級4団体統一王者の井上尚弥(大橋)と打ち合いを見せたWBA同級1位のラモン・カルデナス(米国)だ。
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最終的には8回45秒TKOで敗れた29歳だったが、“爪痕”はしっかりとモンスターに刻み込んでいた。とりわけ衝撃的だったのは2回だ。終盤に接近戦となった際、井上の放った左のパンチをスッと身体を落として交わした刹那、左フックを炸裂。これが見事に直撃し、ダウンを奪ったのだ。
本人曰く「見えていなかった」だったという一撃だが、井上が「映像の2、3倍強かった」と語ったように衝撃は間違いなくあった。このダウンがあったからこそ、「イノウエの圧倒的優位」という下馬評があった試合は白熱し、人々の間で娯楽の尽きないものとなった。
井上からのアップセットには至らなかった。それでも持てる力を尽くしたカルデナスを、名トレーナーは褒めちぎった。
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