怪物・井上尚弥 「空前絶後」のカラダづくり

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 また世界を驚かせてくれた。2017年末、井上尚弥が圧巻のKO劇でスーパーフライ級卒業を宣言した。挑戦者ヨハン・ボアイヨを3回TKOで下し、WBO世界スーパーフライ級王座7度目の防衛。試合後「物足りない。ヒリヒリする試合がしたい」と1階級上のバンタム級転向を表明し、直近ではWBA世界バンタム級正規王者のジェイミー・マクドネル(イギリス)への挑戦が濃厚と言われている。


 15戦全勝。モンスターロードを歩む怪物の足取りを根底から支えるのが明治のザバスだ。1階級下のライトフライ級王座初防衛戦前の14年7月からサポートを受けてきた。

「ライトフライの初防衛の時からザバスさんについていただきました。練習前や練習後、試合前や試合後など、状況に応じてどのような栄養素を摂るために、どんな食事がいいのか。いろいろと教えてもらいました。」

 それまでの井上の食生活のバランスは優れたものとはいえなかった。朝昼兼用で一度に済ませることが多く、夕食には炭水化物(糖質)が不足していた。「丼物など一品ものが多かったりした」と本人も当時を振り返っている。

「教えていただいた知識を、その時々で思い出しながら。食べる順番を変えたり。今日はスパーリングがあるから、何時間前に体のエネルギーになる炭水化物(糖質)を摂って、とか。基礎的な知識を応用しながら使えてます。」

 ただでさえ厳しい減量苦とつきあわなければならないボクシングの世界。当時は井上も、平時に比べ約10kgの減量を強いられていた。食事制限だけでなく水分カットも強いられる。相反する環境下で、必要な栄養素を探し求める作業は、明治の管理栄養士の助言などのサポートなしでは困難を極めただろう。

 多彩なサプリメントにも助けられた。練習前には運動時の体脂肪燃焼に着目したアミノ酸VAAM、練習後はリカバリーのためにザバスプロテインを活用。食事では不足しがちだったミネラル、ビタミンをとことん補った。体重をこまめに計測し、急激に減った際は水不足として水分補給のタイミングも数字を元に見極めた。

 例えば年末の一戦。軽量後には雑炊、おかゆ、うなぎ、フルーツなど消化の良いエネルギー源とビタミンを、ゆっくり時間をかけ咀嚼。当日は試合3時間半前からカステラ。1時間半にザバスエナジーメーカーゼリー、ザバスピットインエネルギージェルを溶かしたドリンクなどをこまめに補給して向かった。

「今は奥さんも気を遣ってやってくれています。自分とも話をしながら、そういう知識は共有して。」

 15年12月に結婚してからは、ザバスから授かった知識を夫婦間で共有。愛妻のサポートも足取りをより力強いものにしてくれた。完全無欠の歩みの裏には、無敵の肉体を作り上げる知識と知恵の結晶が隠されていた。

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

井上尚弥 (いのうえ・なおや)

1993年4月10日、神奈川県座間市出身。
今もコンビを組む父・真吾氏の下、小学1年でボクシングを始める。相模原青陵高校時代に7冠を達成し、2012年に大橋ジムからプロ入り。戦績15戦全勝(13KO)。15年に結婚した高校時代の同級生との間に17年10月、長男が誕生した。

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