指揮官が「奇跡が必要」と漏らす深刻さ 大不振のヤンキースを米記者が断じる「オオタニたちは発奮材料になる」
ジャッジを欠いた影響がいまだ響いているヤンキース。不振のチームには地元紙からも批判の声が上がっている。(C)Getty Images
米球界の盟主が窮地に立たされている。現地8月20日に本拠地で行われたレッドソックス戦にヤンキースは5-6で惜敗。1995年8月以来28年ぶりの8連敗を喫した。
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「残りのシーズンは、奇跡的な快進撃が必要だ」
試合後に地元放送局『YES Network』などの取材に応じたアーロン・ブーン監督は、そう漏らした。指揮官が白旗宣言とも取れるコメントを口にするしかないほどに、今のヤンキースの状態は芳しくない。
今季最多の借金4となったヤンキースは、アメリカン・リーグ東地区でも最下位に転落。ワイルドカードではポストシーズン進出圏内の3位マリナーズとは9ゲーム差の7位となり、30年連続のシーズン勝ち越しも途絶える可能性も浮上してきている。
投打ともに迫力不足の感が否めない今季だが、とりわけ打撃陣は深刻だ。チーム打率は30球団中29位の.230。本塁打数こそ上位7番目(168本)ながら、OPSは22位の.705と打てていない。昨季にア・リーグ新記録となる62本塁打を放ったアーロン・ジャッジが6月末に故障離脱。核を欠いた打線がバランスを失った影響は、彼が復帰した今も続いている。
ここまでの苦境を見ると、今オフに何らかのテコ入れが施されるのは必然に思える。それは地元メディアの記者も指摘するところだ。日刊紙『New York Times』のタイラー・ケプナー記者はヤンキースの現状を「深刻なほどに危うい。1992年以来の負け越しにどんどんと近づいている」と嘆き、こう続けている。
「彼らは自身が最もなりたくない“平凡”なチームになり果てている。とにかくヤンキースには刺激が必要で、今オフにはチームの発奮材料になりえるショウヘイ・オオタニやコディ・ベリンジャー、マット・チャップマンのようなフリーエージェント選手がいる」