井上尚弥戦を狙うボールの暴挙にドヘニー陣営が憤怒! 御法度の蹴りつけ→未減点に苦言「あんなことをしてまで勝ちたいとは…」

ボールとの打ち合いに敗れたドヘニー。その内容は波紋を広げている。(C)Getty Images
苛立ちを爆発させた王者の振る舞いに猛烈なバッシングが飛んだ。
波紋を呼んでいるのは、現地時間3月15日に英リバプールで行われたWBAフェザー級タイトルマッチ12回戦で、王者のニック・ボール(英国)が見せた“蛮行”だ。
【動画】明らかな故意行為の蹴り ドヘニーに見舞ったボールの蛮行
初回終了時だった。コーナー際で挑戦者の元IBF世界スーパーバンタム級王者TJ・ドヘニー(アイルランド)にヘッドロックのような形で抑え込まれたボールは憤怒。なにやら言葉を吐き捨ててから右脚付け根付近に左膝でのキックを見舞ったのだ。
受けたドヘニーは腰から崩れ落ちてダウン。その後に回復したが、当然ながらボクシングにおいて蹴りは御法度。背後からの危険な行為であったことからもボールに何らかの処分が下ると思われたが、レフェリーは注意をするのみで試合を続行した。
その後、試合は防戦一方となった10回終了後に陣営判断で挑戦者が棄権。圧倒的な内容で王者のTKO勝利で決着。だが、9回にクリンチをしてきたドヘニーを投げ飛ばして減点1を科されるなどボールの素行と審判の対応の悪さが目立った試合は、いささか後味の悪さが残った。
無論、怒り心頭なのはドヘニー陣営だ。
38歳のベテラン戦士が拠点を構えるオーストラリアの日刊紙『The Australian』は、「ドヘニーの転倒はサッカーのような芝居がかった感じはあった」と前置きした上で、「本当に奇妙なのはボールがまったく罰せられなかったことだ。少なくとも問題の行為を確認すべきであったし、減点、あるいは失格も検討されるべきだった」と糾弾。そして、ドヘニーのトレーナーを務めるトニー・デルベッキオ氏のコメントを伝えた。
「シンプルに言ってあれは失格だった。そもそもあんなことをしてまで勝ちたいとは思わないだろうが、それが現実となった。キックはできないとルールでそう定められているはずだ。『何とかしろよ、審判』と言いたいね」