熱男・松田宣浩独占インタビュー プロ18年の根底にあった王会長の「教え」とは
引退試合でもはつらつとした姿を見せた(C)TakamotoTOKUHARA/CoCoKARAnext
松田は2005年大学生・社会人ドラフト希望枠でソフトバンク入り、通算1832安打、301本塁打、991打点をプロ18年で積み上げた。侍ジャパンの一員としても13年、17年のWBCにも出場、ソフトバンクでは6度のリーグ制覇、7度の日本一に貢献、「熱男」の愛称で親しまれた。
球界には珍しい「声」の貢献で大きな存在感を示した松田にCoCoKARAnextが独占インタビューを敢行。注目の第一回はプロ生活18年を支えた「教え」について、聞いた。
10月1日に行われたヤクルトとの引退試合。本拠地東京ドームで行われた一戦に松田は「6番・三塁」で先発出場。試合前の円陣では声出し役を務め「最後は熱男でいきましょうか」とナインをまとめると、一邪飛、右飛で2打席を終えた後、6回は1度三塁守備についてから、ベンチに引きあげた。三塁手として計8度のゴールデン・グラブを受賞した松田を敬した首脳陣の粋な計らいだった。
試合後行われた引退セレモニーでは幼少期から憧れた巨人で現役時代を終えた幸せに感謝しながら、4万1630人のファンと一緒に「熱男!」コール、最後は定位置の三塁で5回宙に舞い、万感の思いで現役生活を終えた。
40歳までプロ生活を続けるというのは並大抵のことではない。果たして松田を支えたものは何だったのか。
この点に関して松田は引退セレモニーでビデオメッセ―ジを寄せたソフトバンク・王貞治会長からの言葉をあげた。
「王会長は1年目の時の監督さんで、プロ野球とは何かということを教えていただいた」とプロ人生の基礎を学ばせてもらったと語る。2006年のルーキーイヤーは62試合に出場し、打率・211、3本塁打、18打点。レギュラー獲得を目指して汗を流す日々の中で、当時の王監督から言葉をかけられたという。
「ずっと大切にしていた言葉は『プロ野球選手は143試合あるから1試合でも気を抜いてしまうことがあるかもしれないけど、ファンの中には1試合しか来ることができない人もいる。だからこそ、1試合も手を抜くことはしてはいけないという使命感をもってやりなさい』ということ。最後まで王会長の教えを守り切ることができたと思います」と松田は胸を張る。
この教えは常勝軍団の巨人軍の教えでもあり、ファンファーストを貫き、どんな試合でも全力を尽くすという松田の姿勢はこの言葉から生まれたものといえる。