プロ野球の育成制度は「夢の入り口」なのか あまりに安すぎる年俸 入団後に実感する格差
しかし、入団後に「格差社会」を痛感することになると、前述のデスクは言うのです。
「育成選手は一軍の試合には出られませんし、支配下選手にならないことには、プロの世界でお金を稼ぐことができません。言い方は悪いですが、正社員と契約社員ぐらい待遇は違います。寮と食事、トレーニング環境は保証され、野球に打ち込む環境は整備されていますが、『職業としてのプロ野球』には程遠いのが現実です」
一方、育成出身者がメディアで取り上げられるのは成功者のみ。「絶対に支配下に上がるんだ」と誰もが成功を夢見てファームでの練習に打ち込みますが、ほとんどの選手にとって支配下登録への道のりは遠く、オフにはひっそりと戦力外になるのが通例です。
「大学進学か育成でのプロ入団か。正解はありませんが、大学へ行って4年後、支配下での指名を勝ち取るのも、決して悪くないと思います。急がば回れです。支配下で指名されないのは、足りない何かがあるから。ならばそれを埋めてから、堂々と高い契約金を手にしてプロ入りすればいい。年俸などの待遇面を考慮すれば、『育成選手は真の意味でプロ野球選手ではない』というのが、紛れもない真実と言えるでしょう」(前述のデスク)
指導者や保護者ら、周囲の声も決断に大きなウェートを占めそうです。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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