「無礼だ」セーヌ川汚染問題をパリ五輪トライアスロン出場のノルウェー選手が回想 運営の“強行開催”を猛批判!「あんな場所で」
また、ベルギーの女子選手クレア・ミシェルは、ウイルス性感染症の下痢と嘔吐が続き、緊急入院。同代表は大腸菌感染の懸念を考慮して8月5日の混合リレーを辞退。その混合リレー後には、ポルトガルの男女の2選手が胃腸感染症を発症したことが発表された。
運営方針が大きな波紋を呼んだのは間違いない。実際にレースに出場していた選手は、大会後に不満を爆発させている。東京五輪の金メダリストでもあるノルウェーのクリスティアン・ブルンメンフェルトは、母国のポッドキャスト番組『The Norwegian Method』の中で、厳しい感想を語っている。
「トライアスロンレースで、大会の運営サイドは、『水をどう綺麗に保つか』という問題をまったく制御できていなかった。水質検査に関しては、コントロールが効いていたかもしれないけど、最初のスイム公式練習が2度も水質悪化が原因でキャンセルされ、その後のレースが延期された。さらにその後の公式練習が2つもキャンセルされ、マラソンスイミングの公式練習もキャンセルされた」
練習のキャンセルが相次いだ中で、レースが強行された4日間は、すべて基準値をクリアして「良好」という検査結果が出た。この事実にもブルンメンフェルトは苛立ちを隠さない。
「トライアスロンとマラソンスイミングをセーヌ川で開催すると決まった時、僕は彼ら(大会組織委員会)が、会場の状態をコントロールするだろうと思っていた。それはただのギャンブルだ。あんな場所で『アスリートのため』といって競技を行うのは、ある意味、僕らに対する無礼だ」
大会後に「私たちにとって、より良い水質を取り戻すことができたのは、想像しうる最大の遺産」(パリ市副市長ピエール・ラバダン氏談)と胸を張ったパリ市。今後はセーヌ川での遊泳を一般市民向けに開放していくというが、果たして実現可能なのか。選手たちからクレームが相次いだ現状では、限りなく厳しいと言うほかになさそうだが……。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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