圧巻のピッチングを見せたロッテ・沢村は今季開幕後4件目のトレード ほか3件のトレード後の選手成績は?
巨人からロッテへ交換トレードで移籍した沢村拓一投手が8日、本拠地での日本ハム戦で満点デビューを飾った。1点リードの6回に3番手で登板。渡辺、大田、ビヤヌエバを3者連続三振に斬った。
前日に香月一也内野手との交換トレードが発表され、この日の午前中にはジャイアンツ球場で元同僚らに別れの挨拶を済ませたばかりだった。試合用のユニホームが間に合わず、福嶋明弘打撃投手の「106」番を借りて上がったマウンドで、名刺代わりには十分すぎるほどの投球を披露した。
球界を揺るがす電撃トレードだった。年俸650万円の香月に対し、1億5400万円の沢村が放出された格差トレード。球場内外でトラブルが続いていた沢村は、今季も不振が続き、3軍での無期限再調整を命じられるほどだった。高いポテンシャルを持て余す現状に、巨人サイドは大きく環境を変えることでしか、沢村の真価は発揮できないと考えたのだろう。同一リーグの敵球団へは移籍させにくいが、交流戦のない今季、パ・リーグ球団の中から移籍先を模索していたとみられる。
これで今季開幕後のトレード成立は4件目となった。では他3件のトレードはどのような面子で、移籍先では各選手どんな成績を残しているのだろうか。9月8日現在の成績を元に比較してみよう。
■1件目・6月25日
ウィーラー(楽天→巨人)54試合 46安打 打率・280 8本塁打 24打点
池田駿(巨人→楽天)10試合 1勝0敗 防御率6・23
どちらも1軍で活躍中だ。特にウィーラーは内外野複数のポジションを守り、勝負強い代打の打撃でも貢献。今季は開幕が3カ月遅れた影響で、休養日が少なく連戦続き。元々厚い選手層をさらに充実させ、巨人の首位独走に一役買っている。
池田も貴重な左の中継ぎとして楽天ブルペンの一角を担う。2日の日本ハム戦で移籍初勝利した際には「本当に移籍して良かったなと思います」とコメントした。
■2件目・7月14日
高梨雄平(楽天→巨人)19試合 1勝0敗10ホールド 防御率1・08
高田萌生(巨人→楽天)1軍登板なし
変則左腕の高梨は巨人ブルペンになくてはならない存在になった。8月下旬まで15試合連続無失点と驚異の安定感を発揮。中川頼みだった左救援事情に貴重な1枚が加わった。
本格派の先発右腕として期待される高田は、ここまで1軍登板はない。終盤戦や来季以降もにらみ、台頭が待たれる。