「1位確実」のタレント不在の中で突き抜ける逸材は? 例年以上の混戦模様の25年ドラフトの“1位指名候補”を予測
来秋のドラフトで1位候補となる立石(左)と石垣(右)。(C)産経新聞社
三冠王に輝くなどリーグを代表する強打者へと成長した大砲
宗山塁(明治大→楽天1位/内野手)、金丸夢斗(関西大→中日1位/投手)、西川史礁(青山学院大→ロッテ1位/外野手)、中村優斗(愛知工業大→ヤクルト1位/投手)の大学生4人が最初の1位入札となった今年のプロ野球ドラフト会議。この4人は今年3月に行われた侍ジャパントップチームの強化試合にも召集されるなど昨年時から評判となっており、1年を通して安定した活躍を見せた結果と言えた。
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ただ、来秋のドラフトに関しては、彼らのように「1位が確実」という選手は不在という印象を受ける。そんな中で今回は1位を狙えそうな可能性を持った選手を探ってみたいと思う。
まず、人気が集まりやすい大学生だが、現時点で最も評価が高くなりそうなのが、立石正広(創価大・三塁手)だ。
高川学園では3年時に夏の甲子園に出場。チームは初戦で敗れたもののセンターにホームランを放って存在感を示した。創価大でも1年秋からレギュラーに定着すると、2年春には打率.500、5本塁打、14打点で三冠王に輝くなどリーグを代表する強打者へと成長。今年は3年生ながら大学日本代表に選ばれ、4番も任せられている。
たくましい体格を利した豪快なスイングは迫力十分で、遠くへ飛ばす力は、1学年上の西川や渡部聖弥(大阪商業大→西武2位/三塁手兼外野手)と比べても遜色ない。肩の強さと脚力も魅力で、サードの守備も及第点と言えるレベルだ。
今秋のリーグ戦は厳しいマークもあって低迷。調子の波は見られるのは課題だが、リーグ戦後に行われた横浜市長杯でも豪快なホームランを放つなどさすがの打撃は見せている。同じ三塁手の強打者タイプの選手では、谷端将伍(日本大)、松下歩叶(法政大)も控えているが、実績とスケールでは立石がリードしていると言えるだろう。
大学生の内野手では松川玲央(城西大/遊撃手)の評価も高い。入学当時、二部リーグに属していたチームで1年春からレギュラーとして活躍。一部に昇格した2年秋から3季連続でベストナインに輝くなどリーグを代表するショートとなっている。
持ち味は高いミート力とスピード。一部での37試合で通算49安打、25盗塁、打率.358を誇る。昨年12月に行われた大学日本代表候補合宿での50メートル走の計測では、全参加選手の中でトップとなる5.88秒を記録した(スタートは各自のタイミングで光電管による計測)。183㎝の長身でホームラン打者ではないものの、長打力も申し分なく、守備範囲の広さと肩の強さも備えている。
貴重な大型ショートだけに人気の集中が予想される。同じ首都大学リーグのショートでは全くタイプは異なるものの、大塚瑠晏(東海大)も小柄ながら抜群の守備力とスピードを誇り、大学日本代表の正遊撃手争いのライバルとなりそうだ。
もう1人、大学生野手で浮上してきそうなのが小島大河(明治大/捕手)だ。東京六大学でリーグ戦通算56安打、打率.337を誇る強打のキャッチャーで、今年は大学日本代表でもプレー。大学生捕手は毎年プロから指名される人数は少ないが、なかなかいない強打の捕手だけに、高く評価する球団も出てくるだろう。