阪神ボーアが18打席無安打デビュー・・・忘れられない「バースの再来」列伝
ちなみに、バースが1988年に帰国して以降、「バースの再来」と呼ばれた助っ人は20人以上とも言われています。中でも忘れられない男2名を挙げてみました。
・ルパート・ジョーンズ(88年)
バースの後釜はメジャー通算147発の大砲。本場のオールスターに2度出場したホンモノ…とのふれこみでした。オールスター後の7月末から出場。後半戦の起爆剤として期待されました。
ところが…。
メジャーではほとんど守ったことのない一塁の守備が、あまりにもお粗末でエラーを連発。前任のバースは一塁の守備も結構上手かっただけに、虎党はむしろ「バースロス」を痛感する事態となりました。
肝心の打棒も8本塁打、打率2割5分4厘と凡庸な結果に。記憶に残るのは日本初の背番号「00」の強烈さと、ベンチ内でお香を焚いていた謎の行動でした。
・マイク・グリーンウェル(97年)
ええのとったで! グリーンウェル入団に関西が狂喜乱舞したのも当然です。G砲は88年にメジャーでシルバースラッガー賞を受賞したホンモノ中のホンモノ。MLB通算130発の長打力に、打率も残せるシュアな打棒は「バースの再来」どころか「バース以上」の名選手。年俸は助っ人史上最高額となる3億円超。期待は膨らんだまま、開幕を迎えます。
ところが…。
春季キャンプ中、背中の痛みを訴えていきなり帰国してしまいます。4月30日に再来日。「GWはグリーンウェルのウィークや!」と関西マスコミが鼻息を荒くしました。すると、公式戦初出場となった5月3日の広島戦ではV打を含む2安打2打点の大活躍。3試合で12打数5安打5打点とチームの勝率5割復帰に貢献します。
しかし、5月10日の巨人戦では自打球を右足甲に当てて骨折。すると、プロ野球史に残る「迷言」が飛び出るのです。
「野球を辞めろという『神のお告げ』だと思う」
まさかの引退宣言。5月16日には機上の人となり、米国に帰ってしまったのです。
さすがに…ということで、グリーンウェルは年俸の4割返上を自ら申し出ました。契約金の返還も打診しましたが、久万オーナーから「正直な、いい人だ」と言われ、返金はなくなったそうです。それを聞いて、正直でも、いい人でもなくていいから、しっかりプレーしてほしかったと全ての虎党は思ったものでした。
2020年シーズンはまだ、始まったばかり。ボーアが今後覚醒し「バースの再来」になるのか、あるいは「バースの再来の再来」になるのか、しっかり見届けていきましょう。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
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