活躍の理由は日韓の“レベルの差”にあらず。元阪神助っ人再覚醒の理由を元巨人イ・スンヨプが説く「日本と韓国では文化が違う」
斗山復帰を果たし、快投を続けるアルカンタラ。その再ブレイクのワケを日韓球界の酸いも甘いも知るイ・スンヨプが語った(C)Getty Images
助っ人外国人ー。異国の地で、文字通りチームを救う働きが求められる彼らには、シビアな目が向けられる。活躍するためには己の技量はもちろんのこと、環境に適応できるか否かも明暗を分ける大きな要素だろう。昨年までの約2年間を阪神で過ごしたラウル・アルカンタラに必要だったのは、そうした適応能力だったのかもしれない。
昨年12月に契約満了を受けて阪神を退団したアルカンタラ。20年にKBO(韓国プロ野球)リーグで20勝(2敗)を挙げ、防御率2.54、WHIP1.03奪三振と圧倒的な成績を残し、猛虎の一員となった彼にとってNPBでの2年間は不遇の時間だったのかもしれない。
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入団後まもなくして中継ぎに配置転換された30歳は、1年目こそ勝ちパターンの一角を担ったが、2年目は相次ぐ故障もあって成績が低迷。結局、通算63試合で、防御率3.96、WHIP1.17という不本意な内容で退団となった。
しかしいま、日本で苦汁をなめた剛腕は韓国で水を得た魚かが如く活躍を見せている。今年1月に熱心な誘いを受け、KBOの古巣・斗山に復帰すると、今季はここまで9先発で5勝をマーク。驚くべきは投球内容で、圧倒的に打者有利とされるリーグにあって出色の防御率1.29、WHIP0.92を叩き出し、助っ人としての仕事を全うしているのだ。
日本で鳴かず飛ばずだったアルカンタラは、韓国ではなぜここまで圧倒的なのか。一部の地元メディアは「忘れたくても忘れられない、目を背けられない現実」(スポーツメディア『OSEN』)として両国間のリーグレベルの差を指摘した。