審判だって命がけ!思い出したくない阪神コーチによる悪夢の暴行事件
4月24日のオリックス-ロッテ戦(京セラドーム大阪)で、佐々木朗希投手に対して白井一行球審が詰め寄った場面が物議を醸している。判定の不満をめぐり、威圧するような行動をとった白井球審を批判する声が多い。
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一般的には逆に、審判は選手の「被害者」になるケースが圧倒的だ。ジャッジへの不満から起こった、審判暴行事件は、今から40年前にさかのぼる。
1982年8月31日、横浜スタジアムでの大洋-阪神戦。阪神選手が打ち上げたフライを大洋の三塁手が取りそこない、内野フェアゾーンに落ちたボールはファウルゾーンに転がった。判定はファウル。打球が三塁手のグラブに接触したと猛抗議した阪神の島野育夫コーチが、三塁塁審のボディに数発パンチを食らわせた。グラウンド上は、両軍入り乱れての乱闘状態。退場を宣告した球審に対しては、阪神の柴田猛コーチが殴る蹴るの暴行に及んだ。両コーチは出場停止、罰金処分を科され、傷害事件にまで発展。審判団にとって、思い出したくない悪夢の出来事だろう。
血気盛んな時代。闘将といわれた星野仙一監督(中日、阪神、楽天)は、判定に不満があれば、ベンチから球審めがけて突進した。無防備な審判が、屈強に鍛えた男たちに手を上げられるかもしれない恐怖は、どれほどだったろう。正しいジャッジが当たり前で、1度でもミスをすると世間から悪者扱いされ、ときには審判の家族まで危険にさらされる。審判は大変な職業だ。
佐々木朗の騒動を受け、審判側に立った意見も出た。球界のご意見番、パドレス・ダルビッシュ有投手はツイッターで「審判はみなさんが思っている何万倍も難しい」「選手も散々態度に出すんだから審判にも態度に出させてあげて」「テレビで見てる分には判定は簡単。あの場にいてリアルタイムであれだけ誤審が少ないのは本当にすごい」などと私見を語っている。