【現地発】佐々木朗希の「球速低下」の原因は? 復帰までの道筋は? 密着記者が感じた怪物の“異変”
右肩痛に加え、さまざまな環境の変化も、佐々木にとっては越えなくてはいけない壁だった。足を上げ、体重移動してから踏み込む左足の位置だけでなく、軸足の右足をプレートにかける時の角度も微修正した。また、4月末にコナー・マクギネス投手コーチ補佐は、2年目でメジャー球に対応できている山本と比べ、佐々木はまだ対応しきれていないことを指摘。さらに、「もっと、ピッチクロックにも慣れさせないといけない。例えば10秒も残っているのに、彼は少し急ぐことがあった」と話した。ピッチクロックは走者がいない状況で捕手からボールを受け取って15秒、走者ありでは18秒以内に投球動作に入らないといけないという、23年から導入されたルールだ。
右肩痛に加え、ボールや投球リズムが変化し、メカニック(投球動作)にもズレが生じていたのかもしれない。5月末にかけてキャッチボールを再開する見込みだが、IL入り後はノースローで調整。今後は肩の状態を確認しながら、本来の感覚と投球フォームを取り戻せるよう、調整を進めていくことになるだろう。
[文:斎藤庸裕]
【著者プロフィール】
ロサンゼルス在住のスポーツライター。慶應義塾大学卒業後、日刊スポーツ新聞社に入社。プロ野球担当記者としてロッテ、巨人、楽天の3球団を取材した。退社後、単身で渡米し、17年にサンディエゴ州立大学で「スポーツMBAプログラム」の修士課程を修了してMBA取得。フリーランスの記者として2018年からMLBの取材を行う。著書に『大谷翔平語録』(宝島社)、『 大谷翔平~偉業への軌跡~【永久保存版】 歴史を動かした真の二刀流』(あさ出版)。
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