【現地発】佐々木朗希の「球速低下」の原因は? 復帰までの道筋は? 密着記者が感じた怪物の“異変”
佐々木にはまだまだ乗り越えなければならない壁が多そうだ(C)Getty Images
ドジャース佐々木朗希は5月13日(日本時間14日)、右肩のインピンジメントで15日間の負傷者リスト(IL)入りとなり、戦列から離脱した。翌日、メディアの囲み取材に応じ、経緯を自らの言葉で説明した。
「ここ2試合ぐらいは、ちょっとパフォーマンス的にもなかなか肩の状態もあって、上がってこなかったかなと。もちろんチーム状況もあって投げ続けたい気持ちもあったんですけど、パフォーマンスがあれだと、さすがに迷惑かかるかなと思ったので、自分から申し出る形となりました」
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投手陣に故障者が続出している状況だった。サイ・ヤング賞2度の実績がある左腕ブレイク・スネル、昨年9勝を挙げたタイラー・グラスノーがともに肩の痛みを訴え、先発ローテーションから外れていた。結果、内容ともに安定感をキープしているのは、主戦投手の山本由伸のみ。佐々木は、違和感を抱えながら投球を続けていたことも明かした。
「痛み自体は2登板前ぐらいから。動きの悪さというか、しっくりこない感じはあったので。ただ、痛みじゃない分、もちろんある程度は投げられる状態だったので、その期間は投げるようにはしてました」
2登板前とは、メジャー初勝利を挙げた5月3日のブレーブス戦だ。この日の直球の平均球速は94.8マイル(約153キロ)で、移籍後では4月19日の敵地レンジャーズ戦(94.7マイル)に次ぎ、2番目に低い数字だった。もっとも佐々木は、メジャーデビュー戦となった東京ドームでの開幕2戦目、3月19日にカブス戦が平均球速では最速の98マイル(約158キロ)。2度目の登板以降、本来の球威が影を潜めた。
スプリットは落ちながらシュートしたり、スライダーのように曲がったり、3月のオープン戦期間には、まるでナックルボールのような魔球だと表現された。一方で、その必殺球は速球の球威がなければ、生きてこない。数字でも顕著に表れている。初登板の3月19日は、スプリットの空振り率が50%。肩の違和感を我慢しながら投げていた影響もあったと考えられるが、IL入り前の2登板では、5月3日のブレーブス戦が空振り率10%、同9日のダイヤモンドバックス戦は21.1%と明らかな違いがあった。佐々木はIL入り後に、パフォーマンス低下の要因について「全てがそれに影響してるかどうか分からないですけど、その影響自体はあったかなとは思います」と認めた。






