元巨人・相川亮二、引退から一年 コーチ打診を断り、メンタルトレーナー資格取得、ジム経営などにチャレンジ
——野球に限らず、例えばイライラして物に当たるようなスポーツ選手もいます。
相川:もちろん人の迷惑にならない程度にですが、ストレスを放出したことでスッキリして次集中できたなら、やった方がいいと思います。ストレスを放出しても、それでもまだイライラするのだったら、そのやり方は違うと思います。ストレスの解消方法もやはり人それぞれなので、色々と話や実践をしながらどの方法がその人に合っているのか解いていくことが大事だと思います。
——相川さんは現役時代、試合中にどんなことを考えていましたか?
相川:イライラすることはあんまりなかったですね。キャッチャーとして、勝たないといけないと不安になることが多かったので、それを取り除くために、思考を止めないようにしていました。常に「次はどうしよう」と考えることで、不安を払拭していましたね。僕はすごいマイナス思考なので、マイナスの方から考えて答えを出していましたね。例えば、「2点勝っている状態で逆転3ランだけは嫌だから、じゃぁこうやってリードしよう」とか。結果こうさせたくないから、こうしようってことをずっと考えていました。最初の頃は「大丈夫何とかなる」って思っていましたけど、それがあまりにも成功しなかったので(笑)。自分なりに考えてこうなりました。
——プロ野球でもメンタルトレーナーを取り入れる風潮がある?
相川:男の世界なので、プライドもあるだろうし、メンタルトレーナーに頼るというと「弱いんじゃないか」というような見方をする人もまだまだ多いです。でもそうじゃなくて、自分が活躍するためのメンタルや思考を作るためだけであって、決してメンタルが弱いわけではないんですよ。自分がどういう気持ちや思考でいると、より良いパフォーマンスができるかということを知って欲しい。実際、僕も最初はそうでした。恥ずかしいとか、そんなものに頼れないって思っていました。僕もまだ勉強は足りないですが、学んでみて痛いほどわかることがいっぱいありました。野球やっている人が、それにもっと早く、もっと多く気付いてくれれば、もっといい方向に行くと思います。
——プロ野球以外でもメンタルトトレーナーの知識や経験は活用できそうですね。
相川:いつかは母校で高校野球の監督をやれたら嬉しいと思っていますが、高校生からそういうメンタル面のことを知ってもらえればいいですね。自分に向き合って、自分で解決できる、そういう選手であり、大人になってもらえればいいなと思います。生きていくのってキツイじゃないですか。それを一つ一つクリアして生きていかないといけないので、強く生きていくための思考に変えていって欲しいですね。球児たちやプロで教えることができるなら、今まで培ってきた野球の技術や経験にプラスして、メンタル面で今までと違ったアプローチの仕方ができるんじゃないかなと思っています。そういった、野球の知識とメンタリティの知識を持った球界OBがもっと出てくれば、さらに活躍する選手が出てきて、球界ももっと盛り上がると思います。
※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]