佐藤龍世の加入は上げ潮ムードの中日に追い風? トレードの背景、期待されるのは故障者続出の「ホットコーナー」か
■移籍組が実力を発揮しやすい環境
そこで行われたのが今回のトレードだ。中日の三塁手は福永の左手関節骨折に加え、高橋周平も左肘の脱臼で長期離脱が確定的。開幕スタメンだった石川昂弥は不振を極めている。当分の間はオルランド・カリステとジェイソン・ボスラーの両外国人と板山祐太郎、山本泰寛を中心に回さざるを得ない状況だ。
素行面の心配はあるものの、そこにはある程度目をつぶり、新たな環境で実力を発揮させたいと推察する。
そうなると、佐藤に期待したいのは、三塁のポジションをガッチリと掴むこと。持ち前の打撃を活かし、居場所を見つけてもらいたい。
幸い、現在の中日野手陣は移籍組が実力を発揮しやすい環境にある。最たる例は細川成也で、今季は上林誠知が再ブレーク中。板山と山本も戦力外から這い上がった選手で、西武時代のチームメイト・川越誠司も一軍で奮闘。こういう点でも佐藤には追い風が吹いていると感じる。
幸いチームは交流戦に入ってから今季初の5連勝を達成するなど、少しずつ勢いを見せている。なるべく早く一軍に来てほしいのがファンの本音だろう。強打を誇る佐藤には打線強化が課題とされるチームの「救世主」的な活躍が望まれる。
そして、佐藤の活躍が周囲に波及し、チーム力の底上げにつながることを祈っている。
[文:尾張はじめ]
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