8勝1敗は上出来か、不出来か 真価が問われる侍ジャパンで正捕手が漏らした悔恨「やっぱり日本は勝たなきゃ」【プレミア12】
レギュラーシーズンを終えたばかりの選手たち、ひいては球界全体に勝利への執着心が台湾ほどにあったかと言えば、疑問符が付く。どうしてもWBCよりも下の位置づけとなるプレミア12は代表レベルにおける若手の育成と見定めの場という印象が強い。そのため、1勝に対する想いの差が生じた感は否めなかった。
そうした状況での1敗をどう捉えるか。ともすれば、8勝1敗で上出来だと捉えることもできる。
興味深かったのは、選手たちの悔しさを噛みしめていた姿だ。大会のベストナインにも選出された正捕手の坂倉将吾(広島)は言う。
「申し訳ないなという気持ちですね。プレッシャーっていうものもあれば、決勝っていう雰囲気もあった。ただ、色々な要素が絡む中でプレーするのが世界だと思っているので…。やっぱり日本は勝たなきゃいけないというのを、負けてみて、あらためて経験できたと思う」
どれだけ勝ち越していても、大会レギュレーションが現行のルールである以上は決勝で「負けてしまったら意味がない」(坂倉)のである。だからこそ、選手たちが1勝にこだわる姿を見たかった。
「歴史は勝者によって語り継がれていく。敗者であるより、勝者たれ」とは通算1687勝勝を収めた名将・三原修の言葉だ。世界の進化を目の当たりにしたこの台湾戦は、侍ジャパンにとって、百戦錬磨の勝負師の金言が染みる日になったと言えよう。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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