問題は金ではなく過酷な環境? サウジアラビア移籍のスペイン代表DFが隠さなかった不満「ヨーロッパはもっと面倒を見てくれる」
アル・ナスルではC・ロナウド(右)とチームメイトとなったラポルト(左)。彼はクラブへの不満を隠さなかった。(C)Getty Images
現地時間1月19日、オランダの名門アヤックスは、サウジアラビアのアル・イテファクからイングランド代表MFジョーダン・ヘンダーソンの獲得を発表した。昨夏にリバプールを離れ、発展を遂げる中東の地に活躍の場を求めた33歳だが、早くも欧州へ復帰を決断した。
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アヤックスの入団会見で「ときどき上手くいかないことはある」と語ったヘンダーソン。彼のアル・イテファク退団の理由は様々にあると見られている。ただ、多くのメディアで語られているように、ヨーロッパとは大きく異なる環境や文化が、初の国外移籍となったイングランド代表MFにとって何よりも過酷だったと考えるのは、想像に難くない。
実際、環境に対して「大きな違いがある」と漏らす助っ人選手もいる。ヘンダーソンと同様に昨夏にサウジアラビアを新天地としたスペイン代表DFのエメリック・ラポルトだ。
マンチェスター・シティから移籍金2500万ポンド(約46億2000万円)でアル・ナスルに移籍したラポルト。ピッチ上ではMF顔負けのゲームメイク力を発揮し、今シーズンは公式戦21試合で2ゴール、1アシストとレギュラーとして君臨している。
しかし、グラウンド外では彼も少なからず“苦戦”を余儀なくされているようだ。スペイン紙『AS』の取材に応じた29歳の名手は「ヨーロッパと比べると大きな違いがある。ただ、すべては適応できるかだ。僕たちにとって簡単なことではない」と吐露。「彼らにとって長いキャリアのあるヨーロッパの選手たちを抱えることは新しいことだ」とクラブ関係者の対応に理解をしつつも、正直に不満をぶつけている。
「彼らも、もう少し慣れないといけないと思う。彼らは日常生活のありとあらゆる局面においてすべてを深刻に受け止めていないんだ。自分たちのことには一生懸命だからね。僕は自分自身の経験で話しているから、他の選手たちがどうかはわからない。ただ、彼らは面倒を見てくれるけど、僕にとって十分だとは思わない。ヨーロッパでは選手たちの面倒をもっとよく見ている」