C・ロナウドに、ベンゼマ、そしてメッシまで…止まらぬサウジの大物獲得説 相次ぐ噂の裏で動く「国家プロジェクト」
サルマン皇太子をはじめとする関係者が目論むのは、国内リーグをトップスターたちで潤わせ、イングランドのプレミアリーグやヨーロッパのトップリーグと堂々の人気を博する舞台とすること。そして、2023年に行なわれるワールドカップ招致のためにサウジの知名度を高めるというものだ。いわば、国家プロジェクトと言っていい。『New York Times』の取材に匿名で応じた関係者の一人は、「国内リーグの4大チームに3人ずつのトップ外国人選手が加入し、さらに8選手が残りの12チームに加入する方針になっている」と告白している。
それだけの野望を実現させれば、世界中の注目を集めるのは必至だ。一方でサウジ・サッカー界では困惑の声も広まっている。首都リヤドに拠点を置く古豪アル・シャハブのハリド・アル・バルタン会長は「ロナウドの年俸は我々の年間予算の4倍はあるというのにどうやって競争しろというのだ。(資金力の)差はあまりに大きくなりすぎている」と主要クラブが贔屓される現状を嘆いた。
「自力であまりに大きな差を埋めろとでも言うのだろうか。いうなれば、私たちは日本の小さなセダンなのに、なぜかランボルギーニやフェラーリと競争することを期待されているようなものだ。もしも、私たちが彼らに勝てなければ、こっちが悪いのだろうか? こんなの全くもって論理的じゃない」
コロナ禍が終息しつつある中で一気に動き始めた感のあるサウジの野望。サッカー界のみならず、スポーツ界をも大きく変貌させるプロジェクトは、果たして成功するのだろうか。今夏の動向は注目に値するものになりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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