甲子園出場できるかの7割はスカウティングで決まる 早期化する有望中学球児の進路決定 時代はボーダーレス
そして近年の傾向としては、エリアの遠近を問わずボーダーレス化がいっそう進んでおり、日本代表候補クラスの中学生には中学2年生の段階で「内定」が出されるなど、早期化も顕著です。
「選手サイドが重視するのは『出口』です。つまり入学して3年後にプロ入り、あるいは名門大学への進学が可能になるかどうか。推薦での進学は高校と大学のパイプによって決まることが多いですから。東京六大学リーグや東都大学リーグの名門校への“実績”があれば、保護者としては勧めやすいし、安心して2年4か月、野球に打ち込むことができるわけです」(前述のスポーツライター)
地方の高校にとっては、出場校数の少なさがメリットになる例もあります。
「例えば今夏の出場チームですが、同じ関東でも神奈川は172で、対して山梨は31。『絶対に甲子園に出たい』という中学生は、『出やすさ』を考慮して、神奈川から山梨に行く例も結構多いんです」(前述のスポーツライター)
一時の「大阪から東北へ」「大阪から四国へ」にとどまらず、「九州から関東へ」「関東から沖縄へ」「関東から関西へ」など、大志を抱いて有望中学選手は自らの進路を決断していきます。8月の夏の甲子園。選手達の出身エリアに注目して観戦するのも、また一興かもしれません。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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