セーヌ川の“汚染問題”は今も未解決のまま…パラリンピックでの競技実施に懸念の声尽きず「リスクは限りなくグレーだ」
また、パラリンピックでは視覚障害を抱える選手によるトライアスロンも開催される。そのため、オリンピックでも問題視された「水流」に対する懸念も指摘されている。
視覚障害の種目では、選手とロープで繋がれた伴走者が共に参加するのだが、そうした“サポート”の存在があっても、流れの速さが選手の“壁”になる可能性があるという。同メディアは、「パラリンピアンたちにとってセーヌ川では視覚性が最も大事になる」と語った東京オリンピックで金メダルに輝いた実績を持つフローラ・ダフィーのコメントを紹介した。
「オリンピックで良く分かったかと思うけど、セーヌ川ではコース決めが本当に大きな違いを生む。川の流れが本当に速いので、ボートであれ、土手であれ、桟橋であれ、川の岸辺にあるものに抱きついて、流れから逃れる必要は出てくると思う。だから、選手を先行するガイドが、自分がどこで、何をしているのかを本当に理解していないといけない」
いまだ問題が解消しきれていないセーヌ川。それでもパリ市側は強気だ。現地時間8月28日には、アンヌ・イダルゴ市長が自身のInstagramに同川へ飛び込む姿を投稿。そして「来年からは、パリの夏にはセーヌ川で泳ぐことが欠かせなくなるでしょう。今朝、ブラス・マリー(12区)でまた泳いだ。そして数日後には、パラリンピック選手たちがパラトライアスロンのためにセーヌ川に飛び込みます!」と綴った。
果たして、競技は無事に遂行されるのか。何事も起こらないことを願うばかりだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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